飛騨方言における指示代名詞と助詞・と、の接続について
単音化および促音化の例がありましたので
記載しておきます。例えば、、
指示代名詞・これ、それ、あれ、どれ
+格助詞・と
例 共通語 飛騨方言
これと こっと(○●)
それと そっと(○●)
あれと あっと(○●)
どれと どっと(○●)
指示代名詞・これ、それ、あれ、どれ
+並立助詞・と
例 共通語 飛騨方言
これと こっと(○●)
それと そっと(○●)
あれと あっと(○●)
どれと どっと(○●)
指示代名詞・こっち、そっち、あっち、どっち
+格助詞・と
例 共通語 飛騨方言
こっちと こっと(○●)
そっちと そっと(○●)
あっちと あっと(○●)
どっちと どっと(○●)
指示代名詞・こっち、そっち、あっち、どっち
+並立助詞・と
例 共通語 飛騨方言
こっちと こっと(○●)
そっちと そっと(○●)
あっちと あっと(○●)
どっちと どっと(○●) ○弱、●強
やはり、ちと、という音が"ちと"言いにくいから単音化してしまうのですね。
なるほど。
それと面白いのは、それじゃあ接続助詞・と、で促音便になりますか、
という質問ですが、飛騨方言では、いいえ、です。飛騨方言では決して、
雨が降っと(=降ると )傘が必要です(alles.or.jp/~nsis/sono/hyoujun.html例えば長岡方言)、とは言いません。
格助詞・と、および並立助詞・と、は共に体言あるいはそれに順ずるものへの接続であり、
接続助詞・と、の接続は用言です。助詞の種類の違いは接続するのものの違いという事になります。
もうひとつ面白いのは、
いかに体言とはいえ飛騨方言では、たまごっちと、が、たまごっと、になる事も勿論ありません。
あくまでも上記の指示代名詞にだけに見られる飛騨方言発音現象である、と記載しておきましょう。