大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

けわけわぼぼ・飛騨方言

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おきなぐさ(翁草) Pulsatilla cernua (きんぽうげ科おきなぐさ属)の事を久々野町郷土史に、 けわけわぼぼ、というと記載されていました。 ネットに写真がいつくかありますので、ご覧あれ、 花の特徴は葉・茎すべてがふわっとした毛のようなもので 覆われている事で、それを白髪のおきなに例えた わけですね。特におしべがふわっとしているそうですから おうな草にならなかったのでしょう。

飛騨方言の語源ですが、 オノマトペ・けわけわ+ぼぼ・飛騨方言で赤ん坊、と書かずもがな。 ふわふわぼぼ、でも良い感じもしますが、これですと むしろ空に舞うタンポポの雰囲気ですね。 ごわごわぼぼ、では何だかチクチク痛い感じに なってしまうので、やはり、けわけわ、というオノマトペが ぴったりですね。昔の人はよく考えたものです。

学術名ですが Pulsatilla とは拍動するものの女性名詞でしょうか。 また今調べたら、 cernua, from the Latin, cernuus, "inclining the head, stooping"; hence "nodding" の情報あり、頭をたれる、花がおじぎしている様を形容しています。 つまり学術名は花がおじぎしつつそよ風にゆられている様を 表しているようですね。

おまけですが、おきな、も語源が知られていて、吉田金彦著語源辞典 によれば、おほきなりびと・大成人、おほきな、おきな、と変化したそうで。 つまりは共通語では、おおきなじいちゃんの花が、飛騨方言では、ぼぼ、 つまり赤ちゃんのように小さい、可愛らしい花、という事で しゃみしゃっきり。

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