大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
ネギの飛騨方言2 |
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私:前回は、ネギ葱の語源は和語き、に接頭語ね根がくっついて、ねき、という言葉が生まれ、これがネギという言葉になった事を説いた。飛騨方言は、ねぶか、だが、関西で近世語として生まれてきた言葉である事もお伝えした。飛騨方言の別名は、ねくば。 君:どうして、ねくば、というのかという事について屁理屈を考えたのね。 私:その通り。実は、ねぶか、も、ねくば、も広域方言。オーバーラップもあるようだが、ねぶか、が話されるのが全国でざっと三十の地方。そして、ねくば、が話されるのが、ざっと十くらいの地方だ。これから何がわかるかな? 君:ほほほ、なにもわからないわよ。 私:まあね。でも、僕はこう考える。ネブカは古語として、上方辞典などにも出て来るし、その出現は近世あたりでしょう。日本語の歴史を紐解けば、ネギは古代には、き、と呼んでいたんだ。それが、ねき、になった。やがて、ねぎ、になった。続いては、ねぶか、が現れた。但し、ねくば、は方言辞典には出てくるが古語には出てこない。つまりは、ねくば、は、ねぶか、の音韻変化、つまりは誤れる回帰という事でいいんじゃないかな。ねぶか、から、ねくば、という言葉が生まれた。その逆はあり得ない。 君:ねぎ、と言う言葉から、ねくば、という言葉が生まれたとは考えられないのかしら。 私:いや、その考えは幾つかの点において矛盾していると思う。★二拍品詞から三拍品詞が生まれる、つまり拍数が増えるというのは方言形成の原則に反する。★それに古代から、そもそもが、ネギ、と言っていたのだから、どうして、ネクバ、と言い直さなければならないのだろう。★それにネギは食べる部分は葉っぱじゃないしね。 君:ほほほ、わかるわよ。でも、ネクバみそには薬味でみじん切り部分の葉を添えるわよ。ひとつには色彩の為ね。味は味噌そのものなのだから。ほほほ |
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