大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ウグイスカグラの飛騨方言

戻る

私:ウグイスカグラ鶯神楽は、うぐいすがくれ・うぐいすかずら、ともいい、スイカズラ科の木だ。飛騨方言では、ほっぽろごみ。この語を発見したのは昭和61年刊行の"くぐのの唄と祭ばやし"。他には資料が見当たらない。つまりは高山市久々野町のみの方言の可能性がある。
君:つまりは、小学館・日本方言大辞典にも、津土田吉左衛門「飛騨のことば」にも記載がないのね。
私:その通り。
君:つまりは、方言学的にはあまり重要ではないようね。
私:おっしゃる通りです。但し、無価値という事ではない。当サイトは脳トレの修行道場的な意味を持つから、考えられるだけの事を考えてみよう。
君:ほほほ、じゃあ、とりあえずは共通語ウグイスカグラの語源について、という事かしら。
私:うん。うぐひす鶯は万葉集に歌われるので和語。かぐら神楽だが、かむ神+くら倉という説(折口信夫)が有名。その他、諸説。つまりは真実は不明。ウグイスカグラの意味は、鶯の鳴く時期と関係し、神楽は「鶯隠れ」が変化したとの説などある。但し、日本国語大辞典(日国)には、うぐいすがくれ・うぐいすかずら、は共にウグイスカグラの異名との記載だ。
君:ほほほほ、ても、うぐいすがくれ説も捨てがたいわね。
私:うん、そう思うな。さて久々野町方言ほっぽろごみ、だが、どうしてこんな言葉が生まれたのだろうね。真っ先の思い浮かぶのは、ほっぽろ、はオノマトペ。そして、ごみ、は、グミの音韻変化だろうかね。
君:ええ、そう思うわ。ウグイスカグラの赤い実とグミの赤い実、これは本当によく似通っているわよ。美味しい事も。
私:・・・ははは、わかったぞ。
君:ほっぽろ、の語源ね。
私:うん。ほっぺた、じゃないだろうか。
君:あら、あなた、これってオノマトペ、つまりは擬態語じゃないかと仰ったわよ。
私:ウグイスカグラとグミ、共に赤い実。しかもまん丸。今、ネットで画像を見ていてすぐに直感した。
君:馬鹿ね。単純ね。擬態語をもう少し真剣に考え詰めなさいよ。
私:えっ、なにか候補があるのかい。
君:ええ。
私:・・・わからないな。
君:つまりね。ほろほろ、ぽろぽろ。
私:なるほど。涙ほろほろ、だ。涙の零れ落ちるさまだが、転じて木の葉などの散り落ちるさま、はらはら、などに通じるね。ウグイスカグラは落葉低木だしね。
君:おもひでぽろぽろ、よ。ほほほ

ページ先頭に戻る