大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

やぶかんぞう飛騨方言

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私:ヤブカンゾウ藪萱草はユリ科の多年草。旧字は、やぶかんざう、かな?学名は Hemerocallis fulva L. var.kwanso Regel。有史以前に中国から帰化したと考えられている。異名としては、オニカンゾウ鬼萱草、わすれぐさ、けんそう。漢名は萱草。飛騨方言は、びーびーな、けめんじょ、てんもんぞう。


君:漢名でカンゾウが和名でヤブカンゾウになっちゃったのね。
私:なんか、そんな感じだな。
君:可憐なお花なのにオニカンゾウとは、これ如何に、といったところね。
私:オニユリとかね。要は、でかくて存在感がありすぎ、というところからでしょ。
君:かもしれないわ。ヤブカンゾウの方言量って多分、多いわよね。
私:その通り。ざっと百だ。考えられる要因は二つ。多音韻。古代から全国に自生する花。
君:然も方言の多数は音韻の変化からきたものね。
私:いかにも。ケンソウという古名があったので、飛騨方言ではそこからケメンジョ、甚だしくはテンモンゾウになった可能性がある。
君:ないかもしれないわ。
私:いや、あるかもしれない。
君:ほほほ、ビービーナについてはどう?
私:方言量100の中には、びび、つまりは、ビの音韻の重畳語の方言が全国的に散見される。全国共通方言音韻といってもいいかな。つまりは方言の自然発生説。
君:なるほど。ビは美に通ずるものがあるわね
私:まさにその通り。飛騨方言では女子の事をビーといい、男子の事をボーという。
君:男子については坊で決まりよね。
私:その通り、といいたいところだが、江戸時代は坊は女の子を意味していた。例えば真知子ならマー坊。これが明治に正雄がマー坊になってしまった。歌の文句じゃないけれど、ヒロシ・アンド・キー坊、三年目の浮気。キー坊は本名が山田喜代子。
君:脱線しているわよ。女子はビ美からね。
私:そう、といいたいところだが、実は飛騨方言ビー(女子)は古語のヒ卑から来ている。女性を男性に比し一ランク下に見ていた古代社会。今も昔も男尊女卑の飛騨地方。嗚呼
君:そんな事ないわ。それは昭和のダメ男の考え。時は既に令和よ。ほほほ

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