大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
かもしか |
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私:カモシカと言えば小坂町、小坂町と言えばカモシカかな。 君:どうして今夜はカモシカなの? 私:今朝未明の大雨で飛騨川が氾濫、流域が大変な被害。気が滅入ってしまう。言葉遊びで気を紛らわそう。 君:じゃあ、早速に飛騨方言ね。 私:ああ。各種方言辞典がある。飛騨方言の記載としては「かべじし」「あおしし」「あおし」「くらじし」「くらんど」があったよ。 君:ほほほ、語源についてはあまり説明は要らなさそうね。 私:ははは、勿論だな。「壁獅子」「青獅子」「鞍獅子」と書けば十分だろう。岩壁の獅子、青二才の獅子、そして馬の鞍の敷物に使うからだね。 君:ついでに古語もお調べになったのよね。 私:ああ、勿論。「かもしし氈鹿」「かましし羚羊」が見つかった。 君:「しし」も調べたわよね。 私:何だい、その言い方。ああ、調べたよ。「しし獅子」そのものはライオン、というか獅子舞の獅子を意味するけれど、「ししがき鹿垣根」はイノシシやシカ等の侵入を防ぐ垣根、「ししがり獣狩り」はイノシシやシカ等のハンティング、「ししじもの鹿じもの」は「い這ひ」「ひざ折り」の枕詞、「ししじもの猪じもの」は「水漬く」の枕詞、つまりは「しし」は「かもしし」と「いのしし」の両方の意味で使われるんだよね。つまりはズバリ、「しか鹿」の古名は「か鹿」「かのしし・かのこ鹿子」「かせぎ」、そして「いのしし猪」の古名は「い亥」というわけだ。「さをしか小牡鹿」は雄の鹿の意味だが、実はもう一つの意味があって、京都の地名・入野(いりの)の枕詞、「しか鹿」は元々は雄鹿を意味していて、つまりは雌雄の別では逆説的、雌の鹿は「めか」と呼んでいた。鹿の季語は秋。 君:頑張って調べたわね。ところで、昔のおかたは鹿ちゃんは怖くなかったけれどイノシシは怖かったのよね。 私:確かにね、バンビちゃんではね、奈良公園ってほんと癒されるよね。だから青二才の「あをじし」か。イノシシは牙が怖いね。 君:イノシシは別の機会にして、カモシカの方言は全国的にどうなっているのかしら。飛騨方言だけでも方言量が5とはねぇ。 私:はいはい、調べたよ。25だ。あまり多いとは言えないな。勿論、系統も簡単だった。「かべ・・」「あお・・」「くら・・」の三系統に足す事の「にく・・」の系統だ。「にくしか」「にく」「にくめ」も書くまでもない事だか敢えて、食用の意味だろう。 君:ライチョウって県の鳥だけど、カモシカって県の動物だった? 私:それも調べたよ。岐阜県は「県木イチイ」、「県花レンゲソウ」「県鳥ライチョウ」「県魚あゆ」、以上だ。県木は「けんぼく」かな??どこの辞書にも記載が無い。ただし「かもしか」は山形県、栃木県、富山県では県の獣、山梨県では県の動物、長野県では県獣、三重県では県民鳥獣、という事で全国的には結構、人気があるんだよ。 君:戦後のベビーブームで未曾有の教員不足で生まれた言葉が「でもしか先生」、ところが今は全く正反対で少子化・学校の統廃合で教員は狭き門なのよ。 私:らしいね。優秀な人材が教員を目指す、という事で子供達にとっては幸せな事だろう。いつの歳になっても恩師は恩師だからね。 君:私の信条は、先生と言われるほどの馬鹿でなし。 私:いやあ、僕の職業もそうだ。君、同じ事を考えていたのか。いやあ、嬉しいな。くすっ 君:前に居たる我が背子くす(奇)しきくすし(医師)確(しか)と心得て(くすりと)笑ふ。ほほほ |
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