大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 近隣の方言

石川方言・だちゃかん

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学会で金沢へ出張しました。 一人の出張なので夜には手持ち無沙汰です。 ホテルの最上階に行ってバーでチビチビやるに限ります。 満員でしたが、カウンターが一席空いていました。 何遠慮するものか、と思って臨席の同じくお一人の男性に 声をかけました。

彼は生まれも育ちも金沢で、金沢方言なら自信ありとの事、 飛騨方言で、だしかん、という所を金沢方言では、だちゃかん、 であると。ただしアクセントが飛騨方言話者の筆者にとっては 平板四拍なれど○○●●、 ちなみに飛騨方言・だしかん、は四拍頭高▼○○○です。

たちどころに判るのは、金沢は近畿アクセントという事ですね。 ふるくは、らちあかぬ▼○●●●と言われていたのでしょう。 一方飛騨方言は古くは、らちあかぬ▼○○▼○、だったのでしょうね。

大問題があります。らちあく・埒明く、が語源であり、 実は江戸時代の言葉である事です。 石川の言葉・だちゃかん、がはるばる飛騨に伝播したはずがありません。 隣接する県なれど白山が立ちはだかっているのです。

つまりはこうでしょう。中央で、らちあかぬ>だちあかん、が生まれたのでしょう。 場所は京都です。江戸ならば、らちあかねえ、に訛るはずです。 京都言葉・だちあかぬ、が石川県ではアクセントも京都のままで、 だちゃかん、になったのでしょう。 飛騨では、アクセントも東京式になり、だしかん、になったのでしょう。

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