大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

なぜなぜ(=撫で撫で)

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私:このサイトの再開を思い立って三年ほど。毎日が飛騨方言漁りという可笑しな人生になってしまった。
君:ほほほ、それが表題ね。共通語では「なでなで」。
私:そう。つまりは共通語では他ラ下一「なでる」だが、飛騨方言では訛って他ラ下一「なぜる」。いやあ、僕にとっては「気づかない方言」とも言うべきか。自分の国語力が知れようというものだ。
君:古語は他ダ下二「なづ撫」。「なで」は「なづ」の連用形。つまり名詞化ね。撫付髪の意味でも使うわ。
私:なるほどそうか。他ダ下二から名詞が誕生。この名詞に「る」を付けて他ラ下一というわけか。
君:そこまで気づけば更にもうひとつ気づいて頂戴ね。
私:もうひとつ??・・ああ、複合動詞だね。他サ五(他動詞サ行五段)「なでおろす」、他ラ下一「なでつける」、等々。これは文語では他サ四「なでおろす」と他カ下二「なでつく」になるわけだな。
君:そうそう。源氏に他ハ四(他動詞ハ行四段)「なでつくろふ撫繕」があるわよ。髪を撫でつけて整える事。
私:もう一つ、ついでに妄想が湧いてきた。
君:ほほほ、どんな?
私:自カ四「なつく懐(慣れ親しむ)」あるいは他カ下二「なつく(慣れ親しませる)」の自他対があるが、この「なつく」は他ダ下二「なづ」と同根じゃないだろうか。意味は近似している。
君:「なづ」「なつく」共に万葉集。つまりは和語動詞ね。確かにおおいにあり。新説、いいえ珍説。ほほほ
私:言い得て妙。ところで「なでなで」は古語辞典はおろか講談社・山口仲美編・暮らしのことば擬音擬態語辞典に記載が無い。つまりは・・学問的にはどうも「幼児語」らしい。当然ながら近世語ないし現代語といったところか。こんな時こそ国語研のウエブコーパス KOTONOHA のお出ましだ。国語研日本語ウェブコーパス NWJCと現代日本語書き言葉均衡コーパス BCCWJで若干の現代文がヒットした。
君:ほほほ、ついでに「なぜなぜ」も調べたのね。
私:そう、これがなんとヒットゼロ。素晴らしい結果だ。つまり今回の「なぜなぜ」の情報は世界で唯一の記事。ただしグーグルでは「なぜなぜ分析」がワンサカとヒットする。別のキーワードは 五つの why トヨタ式の問題解決フレームワーク。飛騨方言とは無関係。ぶっ
君:なぜなに学習相談 - 学研キッズネットというのもあるわよ。ほほほ

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