間投助詞とは、句の切れ目について感情を添える、とあります(広辞苑)。
共通語における間投助詞は、さ、ね、よ、です。さ、は主に男性が用い、ね、は主に女性が用い、よ、は専ら男性が用います。
例えば、"今日さ、和夫とよ、図書館にさ、行ってさ、とてもよ"、あるいは、
"今日ね、花子とね、図書館にね、行ってね、"などです。
飛騨方言における間投助詞ですが、さ、は決して用いられません。
若し用いますと、わざとらしく共通語を話している感じ、他所他所しい感じになり、飛騨方言としては極めて不自然という事になります。
男性は専ら、な、あるいは、よ、のみを用います。例えば、
"今日よ、和夫とよ、図書館によ、行ってよ、"
"今日な、和夫とな、図書館にな、行ってな、"
女性の場合ですが、ね、を用いることはあまりなく、専ら、えな、を用います。
例えば、"今日えな、花子とえな、図書館にえな、行ってえな、"
男性用飛騨方言間投助詞・な、に対応する、女性用飛騨方言間投助詞・えな、です。
以下に、共通語、飛騨方言交えてのテーブルをお示しします。
項目は、男性および女性において共通語ないし飛騨方言らしいか、を◎◎◎〜○で示します。
また共通語ないし飛騨方言らしくないか、を×〜×××で示します。
共通語ないし飛騨方言としてはアウトの例は×××で示します。
男性としての 女性としての 男性としての 女性としての
種類 共通語らしさ 共通語らしさ 飛騨方言らしさ 飛騨方言らしさ
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さ ◎◎◎ ○ ××× ×
ね ○ ◎◎◎ ××× ○
よ ◎ ××× ◎◎◎ ×
な ○ × ◎ ○
えな ××× ××× × ◎◎◎
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