大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における間投助詞(1)よ、な、えな

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間投助詞とは、句の切れ目について感情を添える、とあります(広辞苑)。 共通語における間投助詞は、さ、ね、よ、です。さ、は主に男性が用い、ね、は主に女性が用い、よ、は専ら男性が用います。 例えば、"今日さ、和夫とよ、図書館にさ、行ってさ、とてもよ"、あるいは、 "今日ね、花子とね、図書館にね、行ってね、"などです。

飛騨方言における間投助詞ですが、さ、は決して用いられません。 若し用いますと、わざとらしく共通語を話している感じ、他所他所しい感じになり、飛騨方言としては極めて不自然という事になります。 男性は専ら、な、あるいは、よ、のみを用います。例えば、
    "今日よ、和夫とよ、図書館によ、行ってよ、"
    "今日な、和夫とな、図書館にな、行ってな、"
女性の場合ですが、ね、を用いることはあまりなく、専ら、えな、を用います。 例えば、
    "今日えな、花子とえな、図書館にえな、行ってえな、"
男性用飛騨方言間投助詞・な、に対応する、女性用飛騨方言間投助詞・えな、です。

以下に、共通語、飛騨方言交えてのテーブルをお示しします。 項目は、男性および女性において共通語ないし飛騨方言らしいか、を◎◎◎〜○で示します。 また共通語ないし飛騨方言らしくないか、を×〜×××で示します。 共通語ないし飛騨方言としてはアウトの例は×××で示します。
    男性としての 女性としての 男性としての 女性としての 
種類  共通語らしさ 共通語らしさ 飛騨方言らしさ 飛騨方言らしさ 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さ    ◎◎◎     ○     ×××     × 
ね     ○     ◎◎◎    ×××     ○   
よ     ◎     ×××    ◎◎◎     × 
な     ○      ×      ◎      ○ 
えな   ×××    ×××     ×     ◎◎◎    
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

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