大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における助動詞活用:推量の種類・らしい

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飛騨方言における推量の助動詞・らしい、の活用は(1)連用形でウ音便となる事と (2)仮定形が飛騨方言の言い回しである事の二点が共通語との違いです。 この二点とも、各地の方言と共通ですので、いきなりお聞きになる飛騨方言が意味がわからない という事はないと思いますのでご安心ください。

尚、助動詞・らしい、の接続は体言、ないし終止形です。 蛇足ながら、接続とは助動詞に先行する動詞の意味の部分です。
   共通語   飛騨方言   文例
未然 らしかろ  らしかろ   飛騨に行くらしかろ
連用 らしく   らしゅう   飛騨に行くらしゅうて
   らしく   らしょう   飛騨に行くらしょうて
   らしく   らしょ    飛騨に行くらしょて
   らしかっ  らしかっ   飛騨に行くらしかった
終止 らしい   らしい    飛騨に行くらしい
連体 らしい   らしい    飛騨に行くらしい佐七
仮定 らしけれ  らしけりゃ  飛騨に行くらしけりゃ
命令 (−)   (−)
簡単に考えますと、助動詞・らしい、の連用形の活用は飛騨方言形容詞のウ音便と同じです。 関西方言でも、あほらしょうて、などと言うのでしょう。 飛騨方言の形容詞、助動詞連用形のウ音便は近畿の影響によるものと考えます。

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