大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における終助詞・ぞえな、ぞな、ぜな、の方言史学的考察

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表題が大げさですが、内容が無いよう!といわれる方があるかも。 ところで、男性格終助詞・ぞ、及び、女性格終助詞・えな、について接続則を別稿に記載しています。 その中で、男性格終助詞・ぞ、は、古語終助詞・ぞえ、に由来し、女性格終助詞・えな、の由来は筆者には不明ともお書きしました。

と言う事ですが、実は飛騨方言終助詞・ぞえな、ぞな、ぜな、が存在する事に突然に気がつき、本稿となった次第です。

つまりは、終助詞・ぞえな、ぞな、ぜな、ですが全て現役の言葉です。 そして三者に共通する点が二つあります。そのひとつはどちらかと言うと女性言葉、 つまりはどちらかと言うと女性格終助詞と言う事です。もう一点は、その接続が全て男性格終助詞・ぞ、 と同じと言う事です。一方、女性格終助詞・えな、は若干の点で男性格終助詞・ぞ、とは接続則が異なります。 そして発音は似ても似つかぬ、明らかに別に派生したのであろう助詞です。

以上の点から終助詞・(1)ぞえな、(2)ぞな、(3)ぜな、は男性格終助詞・ぞ、と同じく古語終助詞・ぞえ、に由来したものと 考えられます。
(1)ぞえな、は、助詞・ぞえ、に、女性らしさを示す飛騨方言助詞・な、が付加し、ぞえな、となったものでしょう。
(2)ぞな、は、終助詞・ぞえな、の成立の後に、え、が脱落して生まれたのでしょう。
(3)ぜな、は、終助詞・ぞえな、の成立の後に、ぞえ、が連母音融合し、ぜ、となり、ぜな、が生まれたのでしょう。
そして終助詞・えな、ですが、終助詞・ぞえな、から、ぞ、をもが脱落して、えな、が生まれたのでしょうか。 しかし、終助詞・えな、は他者とは接続則が異なります。

このように考えると全てが理屈があいます。 つまりは、ぞえな、が古い言葉で、ぞな、ぜな、えな、はその後の言葉と言う事になります。

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