大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における動詞連用形イ音便+連母音融合の言い回し・〜いどる

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(1)飛騨方言においては、サ行動詞がイ音便しやすく、 また共通語と同じく、末語が、ア列+く、ないし、オ列+く、の動詞がイ音便となります。
(2)またこの場合、連用形に接続する接続詞・て、が濁音化し、で、になる事が多いのです。
(3)更には、これが連母音融合して,〜いどる、と発音される飛騨方言の言い回しがあります。

表に一部、お示ししますが、例えば、話に飽いどる、絵を描いどる、花が咲いどる、子が泣いどる、靴を履いどる、紐を巻いどる、 魚を焼いどる、水が沸いどる、のように用います。
動詞   共通語    飛騨方言・連母音融合
            無し     有り
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ア列+く、の例
飽く   あいている  あいでおる  あいどる
書く   かいている  かいでおる  かいどる
咲く   さいている  さいでおる  さいどる
泣く   ないている  ないでおる  ないどる
履く   履いている  履いでおる  はいどる
巻く   まいている  まいでおる  まいどる
焼く   やいている  やいでおる  やいどる
開く   開いている  開いでおる  開いどる
湧く   わいている  わいでおる  わいどる

オ列+く、の例
置く   おいている  おいでおる  おいどる

いい歳  いい歳    いい歳    いい歳
こく   こいている  こいでおる  こいどる

のぞく  のぞいている のぞいでおる のぞいどる
解く   といている  といでおる  といどる

おののく おののい   おののい   おののい
     ている    でおる    どる

〜ほく  該当無し   該当無し
〜もく  該当無し   該当無し
〜よく  該当無し   該当無し
驚く   驚いている  驚いでおる  驚いどる
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