飛騨方言とて日本語ですから大半の共通語助詞はそのまま飛騨方言として用いられます。
そして、終助詞・よ、ですが命令表現に接続して願望(例、早く食べてよ)、
許容(例、好きなだけ食べろよ)、禁止(例、そんなに早く食べるなよ)などの意味が付加されます。
この点につき以下に筆者なりに気がつく接続の例をアクセントと共に
お示しします。○=弱、●=強。
願望 許容 禁止
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四段共通語 行けよ○●○ いけよ○●○ いくなよ
四段飛騨方言 行けよ○●○ いけよ○●○ いくなよ
上一共通語 着ろよ○●○ 着ろよ○●○ 着るなよ○●●○
着よ○● 着よ○●
上一飛騨方言 着れよ○●○ 着れよ○●○ 着るなよ○●●○
着よよ○●○ 着よよ○●○
下一共通語 出てよ●○○ 出ろよ●○○ 出るなよ●○○○
出よ●○ 出よ●○
下一飛騨方言 出れよ●○○ 出れよ●○○ 出るなよ●○○○
出よ●○ 出よ●○
カ変共通語 来いよ●○○ 来いよ●○○ 来るなよ●○○○
カ変飛騨方言 来いよ●○○ 来いよ●○○ 来るなよ●○○○
サ変共通語 しろよ○●○ しろよ○●○ するなよ○●●○
せよ●○ せよ●○
サ変飛騨方言 せれよ○●○ せれよ○●○ せるなよ○●●○
せよよ○●○ せよよ○●○
しょよ●○ しょよ●○
しょうよ●○ しょうよ●○
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結論ですが、終助詞・よ、の接続則は四段とカ変では飛騨方言は共通語と変わりがないものの、
上一、下一、サ変は独自の接続、独自の文法であり、これらをつい何気なく
話してしまうと飛騨出身である事がすぐに、、、、ばれてまうんやさ、なあ。