文末の表現、〜かいな、ですが、
共通語といってもよいでしょう。先行するのは
体言及び動詞連体形+接続助詞の(しばしば撥音便)、です。
例 今日は晴れかいな、晴れるのかいな(晴れるんかいな)。
元の言葉が実は、晴れるの模様かいな、と
考えれば、先行するのは体言のみと考えられます。
また文末詞三拍の意味は
1.か 疑問、確認、反語、等々約二十ほどの意味
2.い 念を押す意味
3.な 飛騨方言に関しては女性を示す文末詞
となります。三拍の始め・か、が省略される事は
ありえませんが、中の拍・い、及び末語の拍・な、
は省略される事も、あるいは連母音融合+短呼化により
一拍脱落する事もある、というのが飛騨方言の
特徴でしょう。
語の変遷をお示しします。
男性らしい表現
かい>か>が>があ
かよ>がよ
女性らしい表現
かいな>がいな>がな>がなあ
かいな>かえな>がえな>がな
かいな>かな>がな>がなあ
かいな>けな>げな>げなあ
その他
かい>かえ>がえ
以上の全てが平成の時代にも話されている
現代語の飛騨方言です。文末詞・〜よ、も念を押す意味があり、
男性らしい言い回しになります。
さて、最近の飛騨発信のネット情報ですが、女性らしい
言い方として、〜けな、が主流です。これ以外は
殆どみられない、といってもよいでしょう。
飛騨方言らしさが感じられ、飛騨の女性に人気がある、
というわけです。
ただしあくまでもネット世界の話です。
ネット情報ともなりますと発信者が若い女性に
限られますので情報の偏りがあるのです。
現実には年配の女性を中心に、かいな・がいな、あたりも
よく用いられるでしょう。
ところで、老婆が末語の拍・な、を省略して男性らしい言い方を
する事もありましょうし、男性が、末語の拍・な、を
用いて女性らしい言い方をする事もありましょう。
筆者自身は、〜かな・〜がな、あたりを頻用しますが、
他を使用しないという訳ではありません。
老人の男性は、〜がよ、がはまり言葉になります。
筆者もぼちぼちと、こちらに変えねば。