飛騨方言において、何々しよう、何々しましょう、という意味の表現法は
共通語と同じようなパターンがあります。
以下によく使われる言い回しのみを記載します。
明確な男女の言い方の違いがあるとはいえ、男性がわざと女性の言い回しを使う事も、
またその逆の事も勿論あります。これも共通語とて同じでしょう。
(1)四段動詞の未然形+勧誘の終助詞・う
(2)四段動詞以外の未然形+勧誘の終助詞・よう
(3)各動詞の連用形+丁寧の動詞句"ましょう"
男女とも一切使用しません。
例えば、(1)行こう、(2)着よう、得よう、来よう、しよう、(3)行きましょう、などです。
動詞の未然形+古語の否定の終助詞・ぬ、の撥音便・ん、のグループ
上記単独
男女とも一切使用しません。例えば、いかん?、着ん?、などです。
上記+疑問の終助詞・((1)か あるいは (2)が)
男女とも使用します。やらないのですか、やりましょうよ、という意味で、(1)やらんか、あるいは、
(2)やらんが、といいます。(1)、(2)、とも、ら、にアクセントがあります。
上記+疑問の終助詞・(か あるいは が)+勧誘の終助詞・な
男女とも使用します。
例えば、行きましょう、と言う意味で、いかんがな、といいます。が、がアクセントです。
返事は、例えば、やめましょう、と言う意味で、やめんがな、といいます。やはり、が、がアクセントです。
上記+疑問の終助詞・(か あるいは が)
+飛騨方言特有の男性宣言終助詞・((M1)い ないし (M2)よ) あるいは
+飛騨方言特有の女性宣言終助詞・(F)いな
飛騨方言らしい言い回しです。男女の言い回しの差もはっきりとしています。
例えば男性は、(M1)魚つりにいかんがい、(M2)魚つりにいかんがよ、女性は、(F)ショッピングにいかんがいな、と言います。
アクセントは男女とも、が、です。
動詞の未然形+勧誘、依頼の古語助動詞・まい、のグループ
上記単独
男女とも使用します。
例えば、行きましょう、と言う意味で、いかまい、といいます。ま、がアクセントです。
返事は、例えば、やめましょう、と言う意味で、やめまい、といいます。やはり、ま、がアクセントです。
上記+疑問の終助詞・か(が)
男女とも使用します。
例えば、行きましょう、行かないのですか、と言う意味で、いかまいが、といいます。ま、がアクセントです。
返事は、例えば、やめましょう、と言う意味で、やめまいが、といいます。やはり、ま、がアクセントです。
上記+疑問の終助詞・か(が)+勧誘の終助詞・な
男女とも使用します。
例えば、、いかまいがな、といいます。ま、がアクセントです。
意味は、行きましょう、行かないのですか、いきましょう、と言う事ですからとても丁寧な言い方という事になります。
さらには、まを長音にして、いかまいがなあ、とも言います。
返事は、例えば、やめましょう、と言う意味で、やめまいがな、といいます。やはり、ま、がアクセントです。
上記+疑問の終助詞・か(が)
+飛騨方言特有の男性宣言終助詞・((M1)い ないし (M2)よ) あるいは
+飛騨方言特有の女性宣言終助詞・(F)いな
飛騨方言らしい言い回しです。男女の言い回しの差もはっきりとしています。
例えば男性は、(M1)魚つりにいかまいがい、(M2)魚つりにいかまいがよ、女性は、(F)ショッピングにいかまいがいな、と言います。
アクセントは男女とも、ま、です。
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