飛騨方言の、こそあど言葉、のうち、
別稿に、これだけ、は、こだけ、と言い
富山との共通方言である事を記載しました。
さて、こう・ああ・そう・どう、についても
飛騨方言では短呼化する場合が多いでしょうね。
例えば、
そしゃそやぞ。
=そうせやそうやぞ。
ではそうしよう、という意味の慣用句ですが、
短呼化せずに話される事はまずないでしょう。
どもならん・どむならん、などとよく言いますが、
どうにもならぬ、という意味です。
しかも頭高五拍のアクセントです。
つまりは、こそあど一拍は飛騨方言では
必ずアクセント核があるのです。
そしゃそやぞ▼○▼○●、というわけですね。
例えば、売り買いの会話ですが、
売り手 どやな?▼○▼ いかがでしょう?
買い手 そやな ▼○○ ふーむ、そうねえ
買い手 こやな ▼○○ (おまけを商品にのせて)
これなら買うよ。
ところが、これだけ、の意味、で、こだけ○●●、
のアクセントです。つまり、こ、にアクセント核が
ないのです。
売り手 どだけやな?○●●●● どれだけご入用ですか?
買い手 そだけや○●▼○ それだけでいいよ
売り手 こたげやな?○●●●● はい、これだけですね。
また面白い事に飛騨方言では、
どだけもない▼○○○○○ どれほどもない。
どだけ▼○○、という言い回しが、どれっぽっち、
という意味の固有アクセントの独立語になる事も
ありますねえ。
切が無いのでこのへんで。