大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 音響音声学

vowel formant

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私:今夜の話題は、そもそも声とは、つまりは空気中の空気の粒子の粗密波についてのお話。基本中の基本という事で母音のフォルマント vowel formant について。
君:フォルマントの日本語訳はないのね。
私:ないね。ホルマントと記載する事もあるようだが。強いて言えば周波数帯という意味かな。声というものは、例えば母音の/ア/という音ひとつですら区切り周波数領域へ変換すると、周波数帯ごとに強弱がみられるという超アナログ現象なんだ。この微妙な差は個人の識別、つまり生体認証に用いられ、声紋と呼ばれる。電話の声の主が誰か直ぐに判るのと同じ理屈。これを可視化したものがサウンドスペクトログラムであり、特定の部位に山がみられる。これがフォルマント。ひとつの音でも複数のフォルマントが現れる。低いほうから順に第一フォルマント、第二、と名付ける。母音の弁別は第一フォルマント(約500〜1000Hz)と第二フォルマント(約1500〜3000Hz)によって大体行うことができるといわれる。
君:随分と幅が広いのね。
私:ひとそれぞれに固有といってもいいかな。
君:要は声、特に母音が声道を通過するときに振動・共鳴するのでしょうけれど、一定の周波数帯の振幅が強いバンドがあって、これがフォルマントというわけね。
私:その通り。第一フォルマントは低い周波数帯であり、その周波数帯の振幅は大きい、という事で、波の物理学としては当たり前のお話。
君:このような物理特性がわかっているのなら機械で人の声を作る事ができそうね。
私:うん、例えば Yamaha PLG 100 SG という装置がある。
君:いろんな音色で/ア/の音が出せるのね。 ほほほ

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