大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
入り渡り鼻音とは |
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私:そもそもが入り渡りとは。 君:読みは、はいりわたり、ね。 私:そうは入り渡りがあれば出渡りもある。 君:つまりは渡り音とは、という命題ね。 私:そう、つまりは入り渡り音 on-glide、渡り音 glide、出渡り音 off-glide、この三者。 君:あら、つまりは英語の音声学。 私:そう。大塚高信・中島文雄監修・新英語学辞典・研究社辺りに詳しい。初期中英語期からの音韻。渡りとは・・連続する音韻を発音する際、ある単音から次の単音へ移るための調音の態勢の動き。また、それによって生じる音。一つの単音について、前からの渡りを「入り渡り」、後ろへの渡りを「出渡り」という・・weblio。 君:当サイトではどの程度、扱ったのかしら。 私:簡単に言うと飛騨には無い音韻。ほとんど扱わず。飛騨方言には存在しない音韻/平安時代の音韻/日本人に巻き舌は要らない/鼻濁音の全国分布/入り渡り鼻音 君:簡単に総括できるかしら。 私:ああ、一応はまともな事を書いているかな。国研地図を見ていた事など忘れていた。懐かしい。平安の音韻では有り得ないだろうね。アルタイ語たる上古の音韻。飛騨方言まんだ(まだ)は単に子音ンの挿入という事であり、んだ、という渡り音では無いだろう。 君:根拠は。 私:マダの語源は、副詞いまだ未。実は否定と呼応する陳述の副詞ではなく、元々は否定にも肯定にも用いられた時間副詞。万葉4492には伊麻太がある。つまりは和語。 君:伊麻太は三拍で決まりね。 私:なにせ微妙な音、これを古代人は漢字表記したのか、という疑問は残るね。 君:取り留めのないお話ね。 私:その通り。だから、いかにも聞いてきました、というような文章は書かないほうがいいだろう。恥をかくだけ。 君:はっきりとしている事だけを総括してね。しかも簡単に。 私:飛騨を含め全国にある鼻濁音は入り渡り音の名残り。この点に於いて飛騨方言との繋がりがある。東北地方に顕著なザ行・ダ行・バ行の入り渡り鼻音(非語頭)は日本語の古音の名残りとの考えがある。敷衍すると古くは非語頭の濁音全てが鼻音を伴っていた可能性がある。日本語方言における鼻音化子音の考察などを参考までに。 君:あら、ネット情報では齋藤孝滋先生は注目のだじゃらー。ほほほ |
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