大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

AIもお手上げ?最強の方言「津軽弁」

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私:表題だが、どう思う?読売新聞オンライン2021/08/17 05:00
君:新聞記事につき何れリンク切れ。要約したほうがいいわよ。
私:そうだね。・・津軽弁は最難解、企業や大学で音声データ蓄積、AI翻訳目指したが実用化は困難。おかゆ、ください、かゆい、食べなさい、喰く、は全て「け」の一文字。他の品詞として使う場合は意味・用法は増える。また津軽の海側と山側、南北でイントネーションや言葉遣いに様々な違いがある。今、津軽弁が人気、津軽が舞台の映画「いとみち」が全国公開、主人公「相馬いと」は内気な女子高生、アルバイト先が廃業の危機、津軽弁と得意の三味線で奮闘する。医療現場では意思疎通が欠かせない。弘前大学医学部は1年生の必修科目に「津軽弁」講義がある。ところが県内出身の学生は半数以下で、津軽弁を理解できる割合は2~3割程度。講師は同大OBで、津軽出身の沢田美彦医師。「津軽弁で話しかけられた時に、拒否するような態度を見せると患者さんは黙ってしまう。結果として正しい診断に到達できない」。東北電力のコールセンターも、似た悩みを抱えてきた。オペレーターの多くは東北出身だが津軽弁を理解できる人はわずか。津軽弁での問い合わせに何度か聞き直して時間がかかり、内容も正確に認識しにくいという課題があった。・・
君:要約も大切だけれど、骨子をお示ししてね。
私:うん。一言で、要するに方言問題解決の主役は弘大「津軽弁」講義と東北電力のコールセンターの二者。津軽弁解決は今の所、AI翻訳は道半ばにして結局は人がやるしかない、という事。
君:音声データがまだまだ足りないという事かしらね。
私:どうもそのようだ。数千人の数十万の会話データが必要という事なのだろうけれど、なかなかデータが集まらないという事かな。それに津軽方言の文法が難解だな。
君:例えば、画像にある「つけらっと信号無視していけばまね(素知らぬふりをして信号無視していってはダメだよ)」はどう解釈するのかしら。
私:逐語訳から明らかな通り、「つけらっと」は「しらんぷりして」の意味の副詞句、「まね」は「ダメです」と言う禁止の方言文末詞。どうしてそうなのかというと、東北地方には「つけらつけら(言葉遣いに愛想が無く不快な印象を与えるさま)」という擬態語がある。これが、つけんつけん・つけりと・つけんと・つけらっと・つけっと、などに音韻変化していると言う訳。近世語としては「つんつん」が中央語になり、江戸文学に出てくる。近代文学辺りから「つっけんどん」が出てくるが、「つけらっと」と一脈通じているね。「まね」についてはまいね(=ダメ、津軽)、つまりは、まいない、からきた言葉。
君:なんとか音韻解釈が出来たとしても津軽文法のハードルは高いわね。患者様の訴えを正確に判断するには、やはり沢田美彦先生の「津軽弁」講義が一番ね。ほほほ

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