飛騨方言の指示代名詞は一部の接続において撥音便になりますが、
共通語と差異があるか内省して以下の結果を得ました。
尚、指示代名詞は、それ(飛騨方言では、そりぃ)で代用しました。
共通語 飛騨方言
−−−−−−−−−−−−
<助動詞だ仮定>
それなら そんなら
<助動詞である仮定>
それであれ そんであれ
<格助詞>
それが そりゃ
それの 同左
それに 同左
それを 同左
それへ 同左
それと 同左
それより 同左
それから 同左
それで そんで
<副助詞>
そればかり 同左
それまで 同左
それだけ そんだけ
それほど 同左
それぐらい 同左
それなど 同左
それなり そんなり
それやら 同左
<係助詞>
それは そりゃ
それも 同左
それこそ 同左
それでも そんでも
それしか 同左
それか 同左
それさえ 同左
<終助詞>
それか 同左
それだぞ それやぞ
それだとも それやとも
それだな それやな
それよ 同左
それや 同左
それだわ それやよ
<間投助詞>
それさ 同左
それね それな
それよ 同左
<接続助詞>
それが そりゃ
それから 同左
それだけれど それやけど
それだし それやし
たり
て
で
ても
それでも そんでも
それと 同左
ながら
ので
のに
ば
<並立助詞>
それと 同左
それや 同左
それやら 同左
それに 同左
それか 同左
それなり 同左
それだの 同左
それの 同左
−−−−−−−−−−−−
以上、飛騨方言では、助動詞・だ、助動詞・である、格助詞・で、
副助詞・(だけ、なり)、係助詞・でも、接続助詞・でも、の接続において
撥音便が見られます。
また内省した結果ではありますが、そりぃ、の発音が残るのは
主語を示す助詞の接続のみでした。