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大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 多義語

多義語とは

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私:多義語とは語を意味の面から分類する用語のひとつ。つまりは二つ以上の意味を持つ語。二つ以上の意義素を持つ語と定義される。
君:具体例は?
私:星といえば夜空に輝く天体の事だが、警察では犯罪の容疑者を星と呼ぶ。つまり星は多義語。そもそもが、星とは狙った地点、目当て、目星、図星ともいい、この意味が敷衍して警察が狙った人物という意味で使い始めたという事だね。
君:つまりは隠語は全て多義語ね。同様にして女房詞も多義語ね。ところで同音異義語という言葉もあるわね。
私:それは、例えば雲と蜘蛛。同じ音韻だが、全く異なる単語の事。雲と蜘蛛は別の言葉。従って両語は多義語ではない。
君:でも、雲行きが怪しい、などと言うから、「雲」そのものが多義語の可能性があるわね。
私:その通り。多義語ではない言葉は固有名詞だけ。一般名詞は多義語の事のほうが寧ろ普通。然もどの言語にも普遍的に存在する。
君:確かに。英和辞典を見ても一つの単語に幾つもの意味が書かれているわね。つまりは飛騨方言の語彙で多義語を洗い出してみようとでも思い始めたのね。
私:そう。柳田國男の逆の発想。彼はカタツムリの意味で全国にはどのような言い方が有るかを調べて蝸牛考を著した。全国的に幾つの言い方があるかを方言量という言葉で記載した。カタツムリの方言量はざっと250。この手の研究は多い。多義語に着目した論文はあまり多くないと思う。方言量と多義語については、これは僕の直感だが、ひとつの法則性があるだろうね。
君:ほほほ、どんな事?
私:二拍の和語名詞、例えばヤマ山・カハ川。これらの方言量は1。またこれらの単語が多義語の事は少ないと思う。
君:でも雲は多義語よ。
私:多義語についてはたった本日、興味を持ち始めたところ。いずれ書いているうちに明らかになると思う。
君:ご苦労様ね。
私:それともうひとつ。今まで当サイトに四千以上の文章を書いて気づいた事がもうひとつある。
君:ほほほ、それぐらいわかるわよ。具体語と抽象語でしょ。具体語は多義語にならないけれど、抽象語はたちまちに多義語になるという論法ね。
私:その通り。抽象語が生まれた年代も問題だな。
君:それとてあなたの考えなんてわかるわよ。古くからの抽象語は多くの多義語になるのであろうという佐七君の理論ね。 ほほほ

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