12 君のアルバムを見てしまった

「君の過去」

ある日俺は君の
昔のアルバムを見てしまった

君の手に見る男物の時計は
アルバムの中に居た人がしている時計でした

ガン!!!

棍棒(こんぼう)で殴られたような気がした

昔のことなのよ 「君は言う」
俺は(むな)しい
もっと深く君の過去に触れたい

君はそんな俺を
嫌いになるかもしれない
その事が最も怖いことだけど
君の心を傷つけ
俺の心も傷つく

そのことは重々(じゅうじゅう)判っていても
俺は知りたい
君の全てを

このことが破局になるかも知れない
それでも気が済むのなら

君が好きだから
俺の勝手な思い
嫉妬する自分がいやだけど
君をそれほどまでに好きになったから
心を(おさ)えきれない

「済まぬくすぶり」

過ぎたことを今になってと笑えば 笑え 怒れば怒れ

泣きたいなら泣け
君の気が済むのなら

これから信じる路を歩き
不幸を転じて幸と成す
その気持ちが分かるなら
心のくすぶりを消しなさい

明日に向かって行くために
そうしないと気が済まないでしょう
あの人が 住みしかの里 遠い国
今は幸せに 居ると聞きつつ

「恋路」

本物の恋に伝えし
寂しさよ
()める
心の奥深く
何かを恐れて
道行かん
誰も知らない
行く道
来る道

「帰り道」

帰り道僕は君に話しかけたかった
何が何だと
伝えたかった
だけど言えない僕だった

君は僕の声を聞きたくて
待っていたようだけど
何も言わない

何かを感じたのだろうか
君のまなざしは
もっと男らしく強くなってと

言っているようで
何故か寂しそうな
君だった

僕が勇気を出して話しかければ
山彦になって
いい返事が返って来るだろうか

それともなんて言うのだろう
幸せ運ぶ白い鳩
僕に勇気をください
この次は思い切って
話して見ようと帰る道

祈る
願いよとどけ
僕の願いよ・・・・?

「電話に寄せて」

君と逢えぬ寂しさは
今日の空に
よく似てござる

いつか
やむところなく
雨が落ちてくるようで
悲しい思いのする一日
家の表へ出ても裏にいても
電話のベルが鳴るようで
今も君の面影を
しみじみ受話器に寄せている
君を知り染め
早や幾年月
懐かしい人のように
心温まる
思いのする人
今にも
手の届きそうな
ところにいて
近寄りがたい
思いのする人
神聖(しんせい)
私の胸を
打ち続ける

「分かち合う仲間」

寂しいからって

誰が(なぐさ)めてくれる
悲しいからって
誰が涙を流してくれる
嬉しいからって
誰が笑ってくれる
始めから
君は君でしかない
そんなこと
いまさら聞いてどうする
寂しいときは
君と一緒に寂しさに耐え
悲しいときは
君と一緒に悲しみ
嬉しいときは
共に喜びたいと
思っている人も居るよ
君は知らないだろうが
苦楽を君と共に
分かち合いたいと
思っている人も
少なからず居ることを
忘れてはいけないよ
忘れてはね。



ブルーのスーツ
ブルーのアイシャドウが似合う女の子」

ブルーのスーツがよく似合う
可愛い感じの女の子
うっすらつけたアイシャドウ
濃くなく僕の心引く
恥ずかしそうに目をそらし
ちょっと(はじ)らういじらしさ
若さにプラス清潔感
もしも濃い化粧であったなら
僕は嫌いになるだろう
今の君が一番素敵

「通らぬ恋に」

好き・・・・
といっても始まらない
所詮(しょせん)は通わぬ恋の歌
叫んでみてもとおりゃせぬ
悲しい恋のつくところ
寂しい思いのするところ
やせる思いのするところ
何があろうと無かろうと
私のハートに火がついて
貴女の心を求めている
さびしくひとりで散ることも
つれなくされるそのことも
みんな知っていることなのに
飛べない体に鞭打って
飛んで行こうとする私



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