17 君が帰ったその後は



「君が帰ったその後は」

君は帰った
ほのかに残る君の香りとぬくもり

何か途方もないことを
語り合い
互いに現実から
離れようとして
数時間を過ごした二人

通りすがりに買ったパンを
平等に分かち合い食べた二人
今は君が帰った

後のむなしさが残るだけ
飲み指しの湯飲みに
君を思い出す

少しほつれた髪と
ちょっぴり
少なくなった
ニキビ後のボツ
優しく微笑む君
ボタンの多い洋服
ちょっぴり寂しそうにしていた君

いままた
止め処もなく
思い出している

もう少し居て・・・・
叫びたいけど(まま)ならず

明日、君に会えるまでの時間を長く感じつつ
一人寂しくお見送り

君の居ない寂しいビルは
突然空虚(くうきょ)となし
わが心をうろたえさせる

あれもこれも手がつけられず
気休めに開いた文庫本
読んだ文字も上の空

寝るにも眠れず屋上に登る
眠たいはずのこの時間
頭はさえていくばかり

うさぎ跳びして心を抑え
腕立て伏せして心を清め
疲れる身体に心を休め
浅い眠りを誘い込む

一日の終わりに
君の面影にお休みを
また明日優しく迎えてくださいと
祈りつつまぶたをあわせる

夢で会った二人は手を取り合って
広い雲の上で楽しく過ごす
それは幸せな
時間に区切りの無い
自由な二人の世界でした


「君が旅するとき」

君が旅に出るという
分かっているのに聞きたくて
どこに行ってどこを見て
誰にあってどこに泊まって
どんな話をするのかい

行くなら行くで
気をつけて
早く帰って

今頃どうしているのだろう
夜も遅い
もう床に就いているのだろうか
おいらのことなど忘れて
久しぶりに会う兄さんと
どんな話をしているのだろう
楽しい話それとも深刻な話
夜よ 早く去っておくれ

長い夜が去り
今日は帰って来る日だと
心が(うわ)ついてならない

十八時
もう帰ってきたろうか
今頃は静岡付近かな
電話もないし心はあせる

受話器は鳴らぬ二十四時
電話はない

遅いからたぶん疲れているだろう
出来事を母さんに報告して
ぐっすり休んでいるのだろう

明日は君に会える
おいらも
もう寝よう・・・・もう寝よう



「君に(ささ)げる詩」

貴方の歌はわからないと言う

僕が結婚しようと
愛の歌を刻んでも
貴方の歌はわからないと言う

自然にいつの日か
一緒になっていたらいい
そんな人を待っていると言う

だから
まだ早いという
僕には女の子の心がわからない
何にもわからない

ほら
聞こえてくるだろう
僕の愛の歌
君を慕って今日も歌う

だけど君にはわからない
そんな君へ
なおも歌い続ける

いつか
わかってくれる日を
胸に描いて
何処までも
歌い続ける



「君の襟あし」

短くなった君の髪

気の変わりやすい
初夏の風が
君の襟足かすっていった

一寸(ちょっと)寒そうに見えるけど
素敵だよ

何にも言わず見つめ合う
夢があるから
二人の心が触れて
明日の幸せ信じます

だけど
幸せすぎて考えちゃう
これで本当に
いいのだろうか

結婚して子供ができたら
幸せにできるだろうか

もしも 地震があったらと
考えてしまう

何も考えたくない
今の幸せ 何時までも

君 元気でいろよ
僕も丈夫で長持ちいたします

初夏の風が囁いている
君の襟足が素敵なように
二人の幸せ保証します





「君の瞳も私の瞳も」

君の瞳が輝くとき
それは希望に満ちて
むんむんしている時だ

君がやるせなさに
埋もれ切っている時
君の瞳は悲しみに暮れている

瞳の奥には
輝きに満ちた光があるとゆうのに
君はただ隠そうとしている

何故だ 何故素直になれない
誰かが互いの炎を消そうとしたら
別の世界で灯そうとしない
君は何を恐れているのだ

宇宙は広い
小さなことにくよくよするな
思いっきり羽ばたけ
思いっきりささやけ

君の瞳に
愛の賛歌を

だが
私にも言えることだ

共に耐え
二人の時節が来るのを待とう
必ず羽ばたける日が来る



「君との生活」

意地悪なあの娘の横目が 僕の心をひきつける
意地悪なあの娘の横目が いつも僕を困らせる
意地悪なあの娘

腹立たしくもあり決して憎めず
幼くも狂おしい
可愛くも日に日に成長していくあの娘
いつの日か水色の水着さえ
はちきれそうな身体になって
狂おしく見えるほど
成長した君

何時しか友達から 愛を知るようになった
こんな僕が悪いのか

あの娘は
成長している自分を 知っているのだろうか
告白してみようか

今の僕には勇気もなく プレゼントするものも無い
真実の愛と心だけです
受け取っていただけますかと?

僕の心は友から愛へ
愛から君との生活を 夢見るようになりました
あまりにも急で利己的(りこてき) 夢に不安を感じながらも

生涯(しょうがい)の友として異議なし
生涯の友とすべし・・・・・
叫んでいる



「君の売る恩は」

君は
恩を売ってはならない

恩を受けた人の立場になりなさい
その時だけでも
少なからず
君に対して
感謝の気持ちこそあれ
憎しみはない
たとえ
その時だけでも
感謝している

君がその事に
こだわっていたとすれば
恩を受けた人は
感謝の気持ちから
憎しみへ移る

だから
恩は売ってはならない
与えてしまって
それで終わりとしなさい

君の今あげた恩は
知らないところで返ってくる
君も
いつかどこかで
人から恩を受けることもあろう
その時の為に

君は今考えなさい



「無言の愛」その一


無言で居たい

何も言わなくていい
なぜ言葉を出そうとする
無言で見つめ合いたい
貴方を信じて
好きと無言で伝えたい

貴方はなぜ言葉に出す
分かっている
何も言わなくても

でも
貴方には無理ね
根が単純だから
思っていることを
素直に伝えたいだけ

そんな貴方が好き
こんな私でも好き
どうして好き
そうね 言われても
すぐに言葉にならないのね

でも私には解る
貴方の本当の気持ち
信じているは
だから

こんな私の心を
貴方の心で
柔らかく包んでください
私の命が尽きるまで
お願い・・・・



「無言の愛」その二

君の言っていること全部
よく解る

僕もうまく言えないけど
「アバタもエクボ」じゃない

愛という字の心の中は
口じゃ言えないものがある

そんな愛が
僕の心に住み着いた
そんな君を求めていた
僕の心の中をきれいにし
清く流れる川を作りたくて

もう
何処にも行かないで
余分なことは

何も考えないで欲しい
二人のことを
二人で考えよう

僕の手に
しっかり掴まりなさい
人生という路は
遠くて厳しい

二人で一人前でいい
何処までも何処までも
君と一緒(いっしょ)だよ




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