19 二十世紀を担う若者たちがそこにいる



「二十世紀から二十一世紀の人々」

せって何だろう
そんなことを誰かが言っていた
君はどうなんだい
幸せかいって聞いたら
幸せだよって答えるかい
幸せっていえば
今の日本人は幸せかもしれない
だけど 僕達には 不満がいっぱい在るしさ
好きな人はそんなこと気にもしてないしさ
今の世の中じゃ
やりたいこともやれないしさ
ほんでもって 大学生はゲバ棒
振り回して いるのじゃ ないかな
君はこう言うだろう
そりゃあ 何時も腹が一杯で
何処かえ行きたいと思ったら 
誰にも気兼ね無しで行けてさ
欲しいものがあれば すぐに手に入ってさ
好きな人は何時も
笑顔でそばに居るってのは どうだい
静かだね
海の色はコバルトで
空の色もコバルトで
山の色もコバルトで
愛する人と 可愛い子供が二人居て
いつも笑いが絶えない生活
一人は 貴女に似て愛くるしくて
一人は僕によく似ている
よーく みりゃ 二人によく似ている
大きな声で 笑いあっている子供たち
見つめる 貴女と僕
周りでは 小鳥がピーチク歌っていて 
みんな甘くささやきあっている
そんなときが 一番幸せだろうなー
と・・君は夢のようなことを
言っていたね
結局
平々凡々と荒い波を立てず
小さな幸せを大切に
毎日を送っているときが
一番幸せなのかもしれないね
みんなで呼ぼう 大きな声で
幸せさん
こんにちは
今日も明るい
良い日だよ
ほら
天道(てんとう)
可愛いあの子も
笑っている
そこに

僕が居る
三十一年後の二十一世紀を背負(せお)
若者たちがそこに居る



「君が無くてはテレビ君」

君が無くちゃ
君が無くちゃ
時には興味をそそり
時には涙を出させ
時には腹が痛くなるほど
笑わされて
時には快い眠りを誘い
君は多忙で色気があって
教養があって
言うところが無い
そんな君でも
いやなところはある
君があるため
大切な時間を
無駄にする
時には君が在るため
夜更かしもする
また知りたくないことも
伝えてくれる
こんなときは
君が嫌いだ
そんな君が
怖いから
だけど
君が無くちゃ
君が無くちゃ



「人間一人ひとりが」

誰かに話したい
何故世間は住みにくい
世界はあちこち争い
日本では隣人のことは省みず
自分のことしか考えない
その場その場を
渡り歩いている
思いやりのない
人生がまかり通る世の中
義理・人情が守られたと言う
昔が懐かしい
今だからこそ
人を思いやる心が欲しい
今の世の中 間違っているよ
一人ひとりの心の中を
洗い清めて
行かなければ
日本や世界が
滅びてゆくだろう
あまりにも一人勝手な
自分本位な世の中だから



「杉の木」

(とげ)に守られた
ひんやりとした薔薇の花びらに
口付けを
素直に育った杉に
抱擁(ほうよう)を求めていた
やっと見つけた
可愛い杉の木
今まさに芽生え
大きくなろうとしている杉の木
水が欲しいなら
清水を汲んできて
欲しいだけあげよう
雑草どもが繁殖し
君を困らせるのであれば
きれいに
取り除いてあげよう
だから
なにも心配せずに
すくすく伸びておくれ
私に希望と生きる力を
何事にも恐れぬ力を
与えてください
杉の木よ
君にはそんな力がある



「世の中」

今年最後の連休
人間はあちこちに傷を残した
高速道路上でバスと
ダンプの衝突
初の東名高速道路の閉鎖
みかん狩りによる車の渋滞
名古屋市内各所の火災発生
今年はなぜか事故が多い
暑い日があれば
インディアンの夏と言い
木枯らしが吹けば
大陸風と言う
町では若者が革命だの
自由だのと叫びあい
ヒッピーが街をたむろし
小僧(こぞう)が口笛をピーピー鳴らし
わけの分からない流行語(りゅうこうご)を使い
誰が女か
分からない
生きているのか
死んでいるのかさえ
分からないような世界
はみな何を求めて

生きているのだろうか
あくせく働きガンガンもうけて
人の茂垣(もがき)を見て喜ぶ
そこに生きがいを見る
狂った世の中



「変な世の中」

何だって
男のズボンを
女の子がはいたって
世の中変わったねー
こんな世の中が二十世紀
しかし
女の子がはいたズボンが
良く似合う
不思議だねー
何?女の子が
長い髪を切ったって
どうしてだい
何処かのテレビの
宣伝に出るのだって
目の玉だけはなんだか青くなって
あたまは青剃りだと
ピーターって
可笑しいよ
ベタベタ化粧をするなんて
だって金玉あるだろ
男らしくしてもいいじゃないか
もっとも
世の中変わったし
全体が可笑しいし
こんなこと気にする
僕がおかしいかい
時代は変わるねー




(うそ)つきカモメ」

僕の心は嘘つきカモメ
見合いなんかはしないで欲しい
もしも 見合いをしたならば
うまく辞退してほしい
そう叫ぶ僕の心は
嘘を言う
僕の心は嘘つきカモメ
君が心の妻だから
君が見合いを?
笑わせないでください
僕のすべてを君に託し
君との幸せ望むのに
僕の心は嘘をつく



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