20 敗北者にはなりたくない



敗北者(はいぼくしゃ)

敗北者
生きていくのがいやになり
静かなところへいきたい
こんなことを思う僕は 敗北者
青い空と 青々とした野原に
虫の声小鳥の声が聞こえる
静かなところへいきたいのです
頭痛がするのです
あまりにも
いろんなことがありすぎる
こんなことを言う僕は 敗北者
こんなことを言い続けると
貴女は悲しんでしまう
だから
貴女だけは
悲しませたくない・・・・・・
僕は
敗北者にはなりたくない
空よ 野山よ 川よ
聞いてくれ
虫けらでさえ生きている
僕は叫ぶ
敗北者になりたくない
今は
一寸疲れているだけ



「アトラスとアトラス」

私は生きる
世間を批判しては
また一つ罪を背負い
神へ背を向ける
何故にこうも
苦しまなければならないのか
苦しむために生まれてきたのか
つい先頃言ったじゃないか
苦しみこそ
生きている証拠じゃないか?
苦しみは嫌いだ
人は誰でも
楽しい夢を追い求め
過去の苦しみを
忘れようと努力する
楽しい夢は
山に川に 天に地に
ごろごろ(ころ)がっているの
行く手を(はば) 呪いのアトラス
いけども いけども
苦しみから逃れることができない
深く刻みこまれた路 アトラス
この世のアトランティスとなれ 
呪いのアトラス
私の前から
永久に
消え去っておくれ



「これからの一生」

俺にとって
君への愛に賭ける
一生に一度の青春
今こそ貧欲に求め
天が逆さになっても
君と一緒に居たい
永久の
愛にしたい
勇気を出して
君に伝えよう



「明日の俺様」

君との
いろんな思い出が
益々、強くなるばかり
今じゃ一日小刻みに
君とのページを作らなきゃ
明日という日も、いらないぜ
笑って怒って
怒って笑って
今日と言う日を残すのだ
バッキャロウ
嬉しいぜ 楽しいぜ
未来があるぜ
君がいるから・・・・
ミッチャン・・・



「俺の第一歩」

俺は君と一緒に
高い所へ登りたい
まだ見ぬ荒海と荒れ山を
乗り越えて行きたい
その事がいかに
君にとって俺にとって
苦しくても苦難であっても
俺は
後ろを見ない
行く所に太陽は燦々(さんさん)と照り
高原は花一杯で
俺たちを
迎えてくれるかもしれないから
今はただ
互いの心を確かめ
過去を捨て
今ここに
真の二人となって
前進して行きたい
互いの心の中に
くすぶりを持たない
本当の幸せを信じる
君と俺の人生
共に知り
共に悲しみ
共に苦しみ
共に励まし合う
二人で一人前の
旅に出よう



「愛こそ」

我が胸の
切ない程に君慕う
もしも心が見えるなら
もしも心が取れるなら
心を広げて見せように
会えばまた
何も言えずに帰りくる
なぜか心が動いてならぬ
遠い空を見つめていよう
そうすりゃ
心も一寸は晴れるだろう
おぼろ身に今はいかに
わが心事在るごとに
強く生きると誓いける



「苦と生と」

なまじ生きて困らすよりも
死を持ち
苦を さらしやり
歩きやむとき
なおも苦が
追ってくるかと
思い見る
明日の無い身に
なにがあろう
何のために
生がこの世に
存在する



「俺の命」

今の俺には何もないが
君にあげるものといったら
君を思い続けて
カビが()えそうになった心と
弱くて風が吹いたら
飛んでしまいそうだけど
病気を知らない身体を
君にあげることができる
これだけしかない
不服かもしれないが
受け取ってくれるだろうか
勇気がない 告白できない
今の俺は死んでいる
君と話をしているとき
二人黙っているときでも
君がそばに居るだけで
空は晴れ風が囁き
甘い香りを
運んでくるというのに
君と話も出来ぬとき
食事も(のど)を通らない
数日そのままで
俺は命を縮めても
希望を持ち続けるだろう
俺にはわかる
君の笑顔が 君の愛が
君の姿が 面影が
今じゃ俺の命なのだから



「生きている」

生きている
そこにもここにも
生が在る
われらの住んでいる
街々に
ほら聞こえるだろ
新しいビルを建てる
けたたましい音と
洪水(こうずい)のような車の雑音(ざつおん)
太陽の下で
さも
定められた路を
流れるように
行き交う車
われらとて見よ
モグラのように
ビルの地にもぐり
行き交う人は
あくせくと
人それぞれ
真剣に
今を生きている
いつかは変わる
世の中を信じ
明日を見つめて
生きている
時折知らせる
時報を聞いて
寸時の世界に
(いこ)いを求めながら
生きている



「人間の住む世界」

時に至り常に戦い
日ごろの生を今日も確かめ
どこまで続くこの路あの路
人の情けを
明日の(かて)とする
この世界の何処に
安楽(あんらく)の地あるや
我悲しここに至り
精神的に疲れ果て
組合たるものいらず
食いらず
ここに至り 生もいらんか?
青空の下や嵐の中で
互いの生を拾いあい
生きることが
人間の住む世界か?



「宿命」

あの人を
これまで想いても
伝わらず
私の胸をかき回し
今宵の眠りを妨げる
たとえ添えぬと
判っていても
忘れられない
宿命なのか 
この恋は



「勇気」

あんな人でも好きならば
貴方のすべてを
あげなさい

貴方がほんとに好きならば
貴方の命を
あげなさい

そして離れず
一歩退き二歩進み
命とともに育てなさい
貴方の愛を育てなさい
そんな勇気を育てなさい



「眠り」

風よ 吹け
嵐よ 怒れ
地よ 怒れ

私の胸をかき乱す
何者をもそこに埋もれさせ
この世に二度と姿出でさじ
ここに安らかな
眠りこそあらんかな


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