23 寂しさがあり何かを求め歩く




「暗い心」

空は五月晴れなのに
誰かの心は常に湿り
暗い心を持っている
カビが生えて
悪臭を放つ
鼻をつまんで目を背ける
そんな人間にはなりたくない
誰とて雨を好もうか
誰が嵐を好もうか
晴れ間を求めてさまよっている
これも運命か
晴れる心を知らぬ
ほんとは優しく明るい心を持っているのに
胸に閉ったまま
時間をとめてここに埋めてしまおうか
嵐の中をさ迷い歩いていれば
何時か明るい心も
命の炎も消えて
倒れてしまうだろうから
風よこの暗い心のもやもや を
飛ばしてください
この五月晴れのように


「一切れのお好み焼きの心の中」


天高く馬肥ゆる秋 誰が言ったか名言
あき深く腹減りの夜
虫の声 腹に染む
口にしたい美味(びみ)の食
日に日に()せる思いを残し
今宵も浮かぶ
君のつくりしお好み焼き
君食べよ 私おなかがいっぱいよ
一切れのお好み焼きを分かち合う
君の心に吾が胸つかえ
うれし涙で食いにけり
これしきことで腹の虫が
収まるわけではあるまい
増して味わう幸せに
君こそ命
吾が命となりにけり
いつしか君が
吾が身体の一部と成り
君なくして吾が命無し
なお増すごとに
君の心が恨めしい
日こそ過ぎ 我が身粗末に扱えば
命 長くあるまじきほど
誰よりも知りし時

君の幸を求め
去り往かんか


「偽りの心」


苦しい
誰か叫ぶ
胸が詰まって息さえできない
肌は寒く空腹さえ覚える
かといって
食欲はなし
偽りの心を持って
太陽に愛を
海に言葉を
山に静けさを
風に甘い(ささや)きを求めた
そんな心の偽りが

太陽は暗く
海は怒涛(どとう)のように
風は(うな)
山は荒れ狂った
不安を抱く

自惚(うぬぼ)れの誰かさん
悲しみよ 今日は
また会いましたね
何かを(つぶや)きながら
悲しみと一緒に
歩き続ける
誰かさん


「心の旅と疲れ」


ジングルベルが
街に
やってきたというのに
君は一人で
心の旅へ出るという
そして よなよな
星を数え
大きい湖に出会ったら
大きい声で
あるときは小さい声で
歌を歌い
風が吹けば風に
嵐が起これば嵐に
寒い心の中を
任せるという
そして
暖かい春が
来るのを待ち
悲しい思い出も
楽しい思い出も
心のうちにしまって
生きるという
傷つき疲れ果てた君の心
わが胸にすがれ
固く閉ざされた
君の心の扉を
開いてあげる
旅の疲れを癒してあげよう
安心して
ぐっすりお休みなさい


「地蔵の心は」

何も言わない心の寂しさは
誰をも寄せ付けない
唇は固く閉ざされ語る事を忘れ
昔の思い出さえ聞くことが出来ない
瞳は冷たく何を見つめて居るのだろう
何を考えて居るのだろう

貴方の楽しい笑い声
貴方の夢見る黒い瞳よ
今はもう聞くことも
見る事も出来ないのか
何も語らない
悲しい心のお地蔵さん


「悲しい心」

何を考え続けるのか
夢見る思い出は
今はもうないのか
何も語ろうとしない
その唇はどうしたのか
君の瞳の輝きは
消えてしまい
何を見つめている
その寂しそうに
日暮れを見つめる瞳
何も言わない唇
唇は開くことを忘れ
その寂しい瞳は
笑いかけることを忘れている
失恋ぐらいでくよくよするな
今の君はどうだ
心の寂しさは増すばかり
面影さえもありゃしない
世界で一番悲しい
心の持ち主と(なげ)く君
考えることをやめ
明日に向かって
奮起せよ



「分からない」


二度やあらず 三度まで
分らない
命までもと 思うほど
分らない
貴女の心も 僕の心も
分らない
何故にこうも 判らない
兎に角ほんとに判らない
分らない
分らない
何故にこうも 気を使う
分らない
何故にこうも 悩んでいる
分らない
胸が詰まって 息もそぞろに
分らない
他人の心の 心の中が
分らない


「我が心」

君に
私の心を見せてから
心が空になる
ただ、それだけで
寂しさはやむところなく
吹き上げてくる
君と心通うところ無く
今また寂しさが増すばかり
海を 山を見ろ
四季に通じて人が集まるとゆうのに
われに、友もなく
昨日の思いは露と消え
明日の光は地に() 消えてゆく



「思いやり」

あの娘の歌を心に刻み
あの娘の胸に聞いてみた
この愛がこの恋が
何故にこんなに悲しい
聞いていた僕も 悲しい
清く美しいあの娘ちゃん
涙で暗くさすなんて
この僕に 出来っこないさ
常日頃そう思っている僕なのに
あの娘に会うとどうしても
悲しませてしまいそう
あまりにも
僕があの娘を好きだから


「心と文と」

今、会ったのに
又も会いたい心が募る
なぜに思いが通わない
書いて捨て
また書いた文だけど
君への文は心と異なり
いつも
歯がゆい思いする
今も飛んでゆきたい
君の許


「心の友」

われ一人いるとき
寂しさがあり
何かを求め歩く
そこに君あり
ともに苦労の中と知り
心の傷を励まし会い
そして前へ空へと伸びて
われらの世界を
われらの青春を
君と僕とでつくろうよ
そこにはいまだ見ぬ
笑顔があり
よき友がある


「恋の終着駅」

今日
私自身の手によって 私を捨てよう
捨てることによって
私の進むべき道が 見付かるかも知れない
今のように 私であって私でない
偽りの世界を できるだけ遠くに
葬らなければなるまい
考えることを捨てよう
恋も捨てよう
そのことによって
私の人生は
終ったのかも知れない
これからの私に笑顔は
二度と見ることができない
かもしれない


「恋 心」

思う心は
本物だけど
いかに
想いが強くても
あの娘に
想いが通じない
我が胸を
とことん悩まし
話すことさえ
いと、可笑し
本当に
神がいるならば
僕の想いを
伝えて見せたまえ
日、一日
過ぎていけば
尚更に
夢にまで
あの娘が現れる
だが
思うようにいかない
心まで
うばえん


「君のハートを取りたくて」


君のハートは俺のもの
言ってよいのかそんなこと
二人の間はそんなじゃない
じゃあ 二人は燃えている?
一人だけで燃えている?
だけど この燃え方は何だろう
小さな灯火(ともしび)一日一日と大きくなる
この炎は誰も消せない炎となってしまいました
しかし 君のハートは動かない
僕の命とひきかえてもいい
それほど僕は燃えている
こちらを向いておくれ
そして 微笑をください
少しづつでもいいからハートを動かしてください
僕の心を静めてください


愛してはいけない恋なのに」

少女の面影ある
笑顔がとても可愛らしい
それでいて
苦しいときも涙を見せず けなげに振舞っている
そんな君に
大人の気持ちを伝えてみたら
可愛い笑顔が消えいた
そうだったのか
そんなに
悩んでいたのか 苦しんでいたのか
ごめんね 許しておくれ
今に大きくなったら
もっと苦しいときがやってくる
そのときは
参考にしてください


「美知子」

屋上にいて
霧が深いビルの谷間に向かって
(さけ)んだ
み〜ち〜こ〜・・・
下では クリーニング屋のおじさんが
不思議そうに見上げていた
君がいないから
なぜか寂しさがこみ上げてくる
君がそばにいて
美知子と呼べば
やさしい笑顔で答えてくれる
永遠に続く二人の語り合いは
俺に力がわいてくるような気がする



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