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春祭り 4
花のいのちは結構長い
2004/4/25

土曜に続き、日曜も快晴、暖かい。
先週の土日に、桜は満開だった、木曜には、はらはらと花びらが散り始めていた。
でも、桜の花は、土日のお祭りまでもった。
消防団の御みこしが酒盛りしている山川酒店の三叉路からまっすぐ東、藤掛医院の横の路地から、バイパスの交差点を抜ける一直線の終わりに、広見神社。
桜の花が白く薄い雲のように霞んで見える。
花はまだいけそう。

花見をかねて、神社まで行こうと誘ったけど、妻も子も、家の誰もついてきてくれない。
となりの小学生が、神社に行くみたいなので、一人は危ない、おじさんついていってやるは、と恩を着せる。
もちろん、小学校より近い、昼間、そこそこの人通り、小学3年生が、ひとりで、何の問題もない、どっちかと言うと、私が、おじさん一人じゃかっこ悪いので引率してもらってる。

夕べは、灯りが少なくて、咲きぐあいがよくわからなかった。
神社の手前、お墓の横の坂を登ると、神社の桜が全部見える。
枝も、葉も見えないほど、花は満開、まだまだ盛り。
でも、花びらは、降るように、たくさん散っている、散りはじめ、よりもう少し。
神社前の道は、散ったばかりの花びらでうっすらピンク。
今日の天気は、晴れときどき桜。
咲く花、散る花、ほんとの今日が見納めだろう。

引率の(どっちが)小学生と、お母さんが合流して、ここでお別れ、アリガトウございました。

神社には、今年も、商工青年部主催、中学生ボランティア参加の屋台が出ている。
食い物の屋台では、知った顔のおじさんが、大変楽しそうに焼きそばを焼いている。
やってる人たちが楽しくなければ、お祭りは盛り上がらない、楽しく頑張ってください。

屋台の数は少ないけど、食い物は、そこは商工会、材料も調理も、プロ仕様。
揚げたてコロッケ筆頭に、バリエーション豊富、しかもお値打ち。
小銭があれば、ビールもつまみも手に入る、お花見には絶好の一日。
子供なんてついてこなくても、大人だけでも集まって、みんなで一杯できると思う。

けど、見渡すと、手ぶらの大人はほとんどいない。
屋台運営の関係者、お祭りの役員、子供引率のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
仕事もないのに、ウロウロしているのは、あれ、私ひとり。
不安になって仲間を探す、やっぱり無役は俺一人、と思ったら、お仲間発見、同級生。
自分ちの子が、神社の境内にいるので、私のほうが分は悪いけど、面倒は明らかに、お母さんが見ている、他に仕事もなさそうで、役なしは私と一緒。
うれしい。

かれは、お祭りを、純粋に楽しんでいた、私以上(だと思う)。

今年の、広見神社のメインイベントは、魚のつかみ取り。
結構大きな水槽を作り、水を張って、マスを放流、小さい子から、大きい子まで楽しめるよう、元気に泳ぐ奴から、浮かんでるだけ、ピンと伸びてそこに沈んでるのまで、各種用意してある。
一回100円。
で、捕まえた魚は、その場で、プロが捌いて、即席の側溝コンロで炭焼き。
さらに、水槽にはうなぎも放される、もちろん元気な奴。
追っかけて、逃げられ、つかんで、抜けられ、運んで、落っことす。
見てるほうも面白い、人だかりができ、歓声が上がる。
捕まえれば、こいつも食える、さすがに秘伝のタレは門外不出、塩焼きだけど、それはそれでうまそう。

そこで、無役の親父が、白焼き注文、ビールのつまみに焼いてくれと言う。
もちろん、そりゃあかんて、うなぎはつかみ取り用やもん、と一蹴される。
ほんなら、捕まえる、と言うと、つかみ取りは子供限定やであかんと却下。
それでもめげず、一計を案じた。
境内で遊んでる、自分ちの子を呼んで、ウナギ獲って来いと指令、友達数人にも合わせて資金を渡し、ウナギ捕獲チーム編成。

お祭りを純粋に楽しんでる大人がいるのは正しい。
お祭りは、子供のたちだけのものではないと思う。
走り回る子供と一緒に、酔っ払って上機嫌の大人が大量に発生するのが正しいお祭り、飲んで、騒いで、喧嘩してと言うと、手に余るけど、いい大人が、一杯飲んで、にぎやかに、あっちで挨拶、こっちで話しこむと言うのもいいじゃない。
花見がてら、散歩がてら、誰かに会うよう来年も。お祭りに行こう。

誰か一緒にいこまいか。

最後まで、見てなかっので、ウナギ捕獲が成功したか、捕まえたウナギを誰が食えたのか、わからない、ちょっと気になる。

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