お茶の用語
〜八十八夜とは...?〜
立春から数えて八十八日目(5月2日頃)のことで、この時期になると霜の被害が収まるといわれています。

  八十八夜の前後にお茶摘みが始まりますが、可児市のお茶摘みの時期はGW明けを予定しています。

〜どうして宵(よい)越しのお茶は危険?〜
 一度抽出した茶殻を、長時間空気中にさらした後、使うのは止めましょう!!
【意味】
  一晩経った茶殻を、翌朝使うことは危険、という戒め。
【理由】
●お茶の成分が酸化し、味が劣化してしまう
●細菌の増殖によって腹痛を起こす危険性がある
 『カテキン』には強い殺菌作用があると言われますが、カテキンは水溶性で、お茶を抽出するたびに茶殻からカテキンが抜け出してしまいます。
 そのため、放置された茶殻では菌が増殖してしまう危険性があるのです
【対策】
●毎食ごとに茶葉を換える
●作りおきのお茶はその日の内に飲み切る

〜一期一会の由来〜
●『一期』は仏教用語で、人が生まれて死ぬまでの間
●『一会』は説法や仏事などの集まりや会合のこと
                  ↓
●茶会では、すべての客を一生に一度の出会いと考え、悔いの無いようにもてなせ、という教え。

 一期一会は、『茶の湯(茶道)で茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客とも互いに誠意を尽くせ』という、茶会の心得を説いたことが語源とされています。
 これは、山上宗二(やまのうえ そうじ)が著した『山上宗二記-茶湯者覚悟十体』の『一期に一度の会』にあります。

※山上宗二:安土桃山時代の茶人で、利休に茶を学び、豊臣秀吉に仕えた人です。





お茶とは...?
〜世界のお茶〜
 お茶は品種改良をされ種類は様々ありますが、元々は『やぶきた』と呼ばれる品種から採れる葉を使用しています。同じ茶葉でも、製造工程の違いによって味わいが異なり、世界のお茶は大きく3つに分類できます。
不発酵茶(緑茶)
 このお茶は、摘み取った茶葉の酸化を防ぐために、一度蒸し、炒りながら揉む工程によってつくられます。これは、日本でよく飲まれる緑茶のことです。
半発酵茶(ウーロン茶等)
 これは、茶葉をしおらせて発酵を促進させ、釜煎り(熱を加えることによって発酵を止めた)後、茶葉を揉み炭火で乾燥させてつくられるお茶です。この種類には、ウーロン茶、包種茶があります。
発酵茶(紅茶)
 これは、茶葉を100%発酵させた後、茶葉を乾燥させたお茶で、世界でよく飲まれる紅茶のことです。

〜煎茶と抹茶の違い〜
 同じ木から採れる葉を使用して製造される抹茶と煎茶ですが、この2つには飲み方以外に栽培方法や製造方法で異なる点があります。
【抹茶】
●栽培方法
 芽が出てから収穫までの間(約3週間)、よしずや稲わら、遮光ネットなどを使い直射日光を遮って栽培します。遮光することによって、茶葉に含まれるアミノ酸(テアニン、グルタミン酸、アルギニン)が増加します。
 抹茶が苦いものと思われている方は、濃茶にも使える高級な抹茶を、薄茶で召し上がってください。ほのかな抹茶の苦みの後に滋味(旨み)が味わえます。
●製造方法
 刈り取った茶葉は酵素の反応(発酵)を抑えるため、一度高温で蒸します。蒸した後は揉むことなく、そのまま乾燥させ、石臼で細かく挽いて抹茶にします。
【煎茶】
●栽培方法
 煎茶は抹茶のように収穫前に遮光しないため、茶葉に含まれるテアニンに光が当たると、渋みの素であるカテキンに変化します。(玉露は収穫前に遮光します。)
 そのため、一番茶、二番茶、番茶と一年で3回(場所によってはそれ以上)刈り取りますが、一番茶と比べると二番茶や番茶は渋みを感じます。
●製造方法
 蒸した後は加熱しながら揉む工程を繰り返し乾燥させていきます。このときに出来たお茶を『荒茶(あらちゃ)』といい、この状態で冷蔵庫で保存します。
 その後、荒茶を裁断、篩い分けを行い形を整え、再度乾燥させて『製茶』の状態にして販売いたします。
 現在、茶葉の全栄養素を得るためにそのまま食べる習慣が広がっていますが、抹茶を嗜むことも同じ効果があるといえます。そう考えると、日本人は昔からお茶の健康効果を理解していたのかもしれません。





美味しいお茶の楽しみ方!!
いつもより美味しいお茶を楽しむための一手間
〜水道水のカルキ対策〜
 水道水を使うと、どうしても水道水に含まれるカルキ(塩素)によって、お茶の香りや味が悪くなります。
 カルキ抜きの簡単な方法としては、水道水を一晩、やかんに汲み置きをしておきます。お湯を沸かすときには、弱火でいつもより長めに沸騰させると、カルキの臭いは抜けます。
〜急須の扱い方〜
 急須にお湯を入れてすぐ振るのはNG です!!
 お茶を抽出するときに急須を振ると、遠心力の影響で茶葉から余分な渋みが出てしまいます。
 時間はかかりますが、茶葉がほぐれてくるまで、そのままにして待ってみましょう。
〜茶殻に隠れた栄養素〜
 茶葉から溶け出す栄養素は全体の約3割で、残りの7割は茶殻に残っています。効率よく茶葉の栄養素を取りたい方は、茶葉を粉末状にした『粉末茶』をお薦めします。
【注】
 スーパー等でよく見かける『インスタントティー』は、一度抽出したお茶を乾燥させたもので、インスタントコーヒーと同じ製法です。粉末状になっていますが、茶葉の栄養素を丸ごと摂取することはできません。
 茶葉の栄養素を丸ごと摂取したい場合は、購入時に商品名を確認して、『粉末茶』と『インスタント商品』を間違えないように気をつけましょう!!
〜お茶の保存方法〜
 茶葉は、温度や湿度、光、酸素の影響を受け劣化します。保存するときには、中蓋のある缶などの密閉した容器に移し替えて、直射日光が当たらない涼しい場所に保存しましょう。
 長期間保存するときには、冷蔵庫に入れるのも結構ですが、冷蔵庫から出したときには、すぐに開封しないでください!!
 袋の中の温度が、外気温度と同じになる前に封を切ってしまうと、お茶が湿気ってしまうので、急いで封を切るのは待ってください。待つ目安は、夏場は1〜2日、冬場は1日です。





美味しいお茶の入れ方!!
1.最後の一滴まで人数分の湯飲みに均等に注ぎ分ける。
【理由】
 急須の中にお湯を残すと二煎目が渋くなってしまうのと、溶け出したお茶の美味しい部分が残っているので、最後の一滴まで出し切ることが大切なのです。
2.お湯の温度に気をつけてみましょう!!
【理由】
 お湯の温度が高いと、茶葉から渋みが抽出されてしまいます。しかし、温度が低すぎると抽出しにくくなってしまうので、時間をかけて抽出してください。弊店のお茶は、特に湯冷ましをしないでも召し上がれるように作っています。御客様に出すときや時間があるときには、湯冷ましをして、お茶のまろやかな旨みを味わってください。
【湯冷ましの利点】
 1.あらかじめ人数分の湯飲みにお湯を注ぐので、均等に分けることができます。
 2.湯飲みを温めておけば、お茶がすぐに冷めることもありません。
【注意】
 一煎目に美味しい部分のほとんどが抽出されてしまいます。そのために、二煎目は湯冷ましをしないで、急須にお湯を注いだら、あまり時間をかけずに湯飲みに注いでください。
香露・柴舟:適温 80〜90 ℃
(湯冷ましをしなくても大丈夫ですが、湯冷ましをすると美味しく召し上がれます)
彩緑・正喜撰・喜撰:適温 90 ℃
(特に湯冷ましをする必要はありません)
特上かりがね・かりがね:適温 90 ℃
(湯冷ましをしないでお召し上がりください)
二番茶:適温 90 ℃
(ポットからのお湯で構いません)
番茶・ほうじ茶・玄米茶:適温 90 ℃
【注】やかんで煮出すと、苦く(又は渋く)なってしまいます!!
沸騰した後に茶葉を入れて抽出してください。


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