4.中級者は何を意識していったらよいか    
      (始めて2年目〜5年目くらいの選手に)

(1)スナッチ、クリーン、ジャークのフォームの修正と改良

始めて1年が過ぎると、ある程度自分のフォームというものが分かってくる。そのときに、少なくとも半年後、1年後を考えてフォームの修正や改良を行う必要がある。自分の筋肉の優れた場所、欠点が必ずあり、弱いところをかばうような動きが必ずでてくるわけである。その部分を、修正しながら動きをつくっていく。シャフトでできるようになったら、次は40kgと、徐々に記録を上げていき、最終的に自己ベストのときにその動きができるようになったらフォームの改良は終了である。簡単に直せる場所もあれば、半年かけないと修正できないところもある。ある程度そのあたりは覚悟して練習に取り組まなければいけない。無理なフォームで練習に取り組むことにより、怪我が多発したり、記録が伸びなくなったりする。理にかなったフォームの修得は現役を続けている間の永遠のテーマである。

(2)フォームの改良に伴う補助種目のフォームの改善や記録の向上を考える

 スナッチやジャークのフォームを改良するためには、自分の筋力的に弱い場所を鍛えなければいけない。それがスクワットだったりデットリフトだったり、プレスだったり腹筋だったりするわけである。しかし、その補助種目のフォームが自己流であって、直接スナッチ、ジャークに反映されないトレーニング方法であればあまり意味をなさない。競技種目を意識した補助種目のフォームや練習方法を考えなければいけない。また、スクワットなどは記録が向上すれば向上するほど、スナッチやジャークの記録が伸びるような相関度の高い補助種目もある。どんどん記録を伸ばせるよう積極的に記録に挑もう。

(3)人の練習を見てアドバイスを考えよう

 クラブ活動で練習を行っている場合、他の人と同じ練習をする場合が多い。そのとき、ただ何となく、相手の練習を見るのではなく、相手の良い点や欠点を見つけるようにしてみましょう。そうすることによって、自分の動きをより深く考えることができるようになります。また、毎日考えているうち、相手の好不調が分かって、調子の良いときの動きと悪いときの動きの違いが分かってきます。

(4)2年後〜5年後の目標を立てよう

 自分がこのまま練習を続けていったらスナッチ何kg、ジャーク何kgを挙げられるか具体的に目標を立てていこう。目標を実行するためにはどの程度練習しなくてはいけないかを自分計画してみよう。自分で考えながらコーチと相談し、理想的な練習計画を立てていこう。

(5)大きな大会に出場したり、地域の外に出て練習しよう

 いつも同じメンバー、同じ場所で練習すれば、練習の時の緊張感が減ってくる。また、試合もいつも県内ばかりの試合では、気合いが上手く入らなくなります。大会の場合ブロック大会への出場を考えたり、全国大会を目標に頑張ってみて下さい。もし、それが不可能なら、練習会場を別な場所に移してみよう。いつもと違う仲間と試合をしたり練習することによって、自分たちが知らないことを発見したり、教えてもらったりすることもできると思います。

(6)自分の適性階級を知り、それに合わせたからだづくりをしよう

 自分の体にあった体重があります。世界選手権などに出場すると、同じ階級の選手はほぼ同じ身長ぐらいになります。ウエイトリフティングにあった体のバランスがあり、やはりバランスの良い選手ほど、怪我も少ないはずです。自分の身長を考え、自分の今の体重がバランスの良いものかどうか一度コーチに聞いてみましょう。バランスが悪い場合は、それを直すような努力をしましょう。

(7)まだまだ、いろいろな運動をしなくてはいけません

 競技を始めて2,3年の選手はまだ、いろいろな筋肉ができあがっていません。ウエイトリフティングの練習だけではバランスを保ったりするような小さな筋肉は発達しません。そのため、普段から走ったり、跳んだり、跳ねたり、腹筋をしたり、泳いだりなどのいろいろな運動をしていきましょう。いろいろな運動が出きるようになると、意外と記録が伸びたりするものです。

(8)シャフトでの動きを一番大切にしよう

 スナッチやクリーン&ジャークをやるときに必ずシャフトから徐々に重量を増やしていきます。そのときの練習を見ていると、一流選手ほどシャフトでのフォームをとても気にしている場合が多いことに気づきます。普通はシャフトからアップする場合、以外と「軽いから」といった感じで、いい加減にアップする場合が多いです。そして、重量を上げていくたびに、「今日はフォームが安定しない」などいいながら、結局試合はうまくいかないことが多いです。実はシャフトでのアップをいかに大切に行うかが上手くいくときのポイントになります。普段から自分にとって良いイメージの動きができるようにシャフトでのアップに取り組み、その動きができたら、徐々に重量を上げていくようにしてみましょう。そうすることによって試合で良い成果を上げられるかもしれません。

5.練習中心掛けることについて

ここでは、練習について心掛けることについてまとめてみたいと思う。

(1)練習は「楽しい」「うれしい」「つらい」「くるしい」などがあって当然である。

 自分の目標を持って練習に取り組んでいると思うが、誰しも練習をしなくても今以上の記録が挙げられたらと思っているはずです。だから指導者について練習をしていると、自分のための練習なのに、「コーチに無理矢理やらされた」などの指導者批判をしているときがよくあります。指導者としてはその選手を出来るだけ最短時間で強くしたいと願ってトレーニング計画を立てて選手に納得させてトレーニングを行わせているつもりですが、選手の方はなかなか指導者が思うほどトレーニングについての考えが自己流か、自分の気分で意見を言っている場合が多いです。指導者の意見を聞いて練習をして自己新記録がでたりすると、「よかった」と感じたり、指導者に対して感謝の気持ちが起きてきます。しかし、鍛錬期などで必要な筋肉トレーニングを行わせるためきついトレーニングをさせられるときは「鬼コーチ」などといってます。しかし人間自分一人ではなかなか自分を追いつめることは難しいものです。指導者を一時は「鬼コーチ」と思えることが自分を磨き上げる事が出来たと振り返りましょう。

(2)練習前の体操・ストレッチ・柔軟体操などで自分の体の状態を把握しよう。

 毎日のトレーニングなどでからだの状態を知るために自分で何か確認をしていますか。体操やストレッチなどで柔軟性の確認をしてみましょう。体操やストレッチは自分のからだの状態を知るにはとても良い手段です。ストレッチや柔軟をしっかりやれない選手はコンディショニングが上手く整えることが出来ない場合が多く、試合の結果も波がある場合が多いと思います。」

(3)今日の練習目的を明確にして練習に取り組もう。

 コーチなどに練習内容を示されてトレーニングをする場合は、その日の練習目的をしっかり考えてトレーニングしよう。コーチはその日の練習目的を考えて示してくれる場合が多いですが、選手自身もその練習内容の中で、自分が今日大切にする種目を具体的に考えながら、練習内容にメリハリをつけるトレーニングを考えていきましょう。

(4)シャフトの動きを大切にしよう。

 シャフトをさわったときに「今日は軽い」とか「今日はダメだ」とか感じる場合が多いはずです。でも、「今日はダメだ」を「今日は普通だ」くらいに変えるのはシャフトでの練習によって変えられるものです。「今日はダメだ」というときには、からだの動きが自分のイメージ通り動かないときが多いためです。そのために、シャフトでアップしているときに自分の動きができるように多めにアップをしましょう。シャフトはいつも3セットと決めるのではなく、自分の動きが出来たら2セットでも良いし、出来なければ8セットしても良いと思います。自分の動きができるようにシャフトで努力しましょう。

(5)試合の1ヶ月前は必ず3〜5本の回数を多く行っていくと、試合での失敗は減る。

 大切な試合の1ヶ月前、記録を狙ってトレーニングをする場合が多いと思う。しかし、この時期に一番大切なことは、ベスト記録の80%〜90%で3〜5本練習することだと思います。3〜5本の練習をしていると途中で失敗をする場合があるが、それがそのまま試合ででる場合が多い。3本でセットを組んでいる場合は、1本目は85%、2本目は93%、3本目は100%をやっている気持ちで練習してみよう。それを5セットやり遂げられれば、試合での記録は安定するはずです。

(6)補助種目は、スナッチ・ジャークの強化するための種目であることを意識する。

スクワットやデットリフトの練習を見ていると、ただやればよいといった練習をしている人が多い。あくまで補助種目はスナッチ・ジャークを強くするための補助種目である。この2種目に直結しないような練習であったら、練習内容を見直したり、フォームを矯正したりした方がより効果が上がるはずです。

(7)自分にあったトレーニングスケジュールを立てられるように練習を記録しよう。

 練習を行って成果が上がる場合と、そうでない場合が多い。それを自分なりに分析するには自分の行ってきた練習内容を記録しておかないとわからない場合が多い。練習内容は無限であるが、練習記録は有限である。スランプに陥ったときに何か打開策を見いだせるかもしれない。

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