大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

五拍形容詞(形ク)のアクセント

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僕:今夜は飛騨方言における五拍形容詞のアクセントについて。形クに限ろう。つまりは語幹が四拍、あたたか、ありがた、とか。
君:じゃあ早速にその二つでお願いね。
僕:うん。
NHK あたたか\い あたたか\かった あたたか\く あたたか\くて あたたか\ければ
飛騨式 あたたか\い あたたかか\った あたたか\く あたたか\くて あたたかけ\れば
君:なるほど、どうしても飛騨式は後ろへずれちゃうわね。
僕:うん。同様に、
NHK ありがた\い ありがた\かった ありがたか\く ありがた\くて ありがた\ければ
飛騨式 ありがた\い ありがたか\った あありがた\く ありがた\くて ありがたけ\れば
君:なるほど、アクセント対応があるわね。
僕:飛騨式アクセントとはなんぞや、正直言って今まで考えた事も無かったが、こうやってきちんと東京式外輪系アクセント、つまりはNHK式アクセントとアクセント対応がある事が判明した。本邦初公開。
君:でも、たかだか二品詞でしょ。
僕:五拍の形クって他にあったっけ。形シクならあるけど。語幹が複合語なら五拍以上は幾らでもあるけどね。はてしない、涙もろい、とか。
君:うずたかい、かぐわしい、こうばしい。
僕:「うずたかい」は複合の語根かな。「かぐはし香」は形シク、「かうばし香」も形シクで、実は「かぐはし」の音便形だ。
君:うーん、なるほど。一応の結論としては他に該当なし、ね。
僕:若しかして、そのようでございます。
君:動詞と同じで、日本語の多拍形容詞は複合形容詞が多いのね。
僕:たった二個の形容詞で、イェーイ・飛騨方言のアクセント則みつけちゃいました、というのもね、気がひけます。書こうか、迷った。
君:自分で言えば世話無いわよ。
僕:三省堂のアクセント辞典においても形容詞アクセント表は四拍語までだ。
君:世の中の人達はそこまでアクセントに拘っていらっしゃらない証拠よ。「しょうがな\い仕様無」わ。ほほほ

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