大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
飛騨方言で要注意の三拍形容詞 |
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このコーナーも実に13年ぶりに復活いたします。・・さて、飛騨方言のアクセントは概ね東京式なので、共通語を話すのにさしたる苦労は要らないはずですが、実はいくつかの言葉のアクセントは飛騨と東京では対立がありますので、飛騨人がなりすまし東京人になる場合に注意すべき点が幾つかあります。それは三拍形容詞におけるアクセント対立です。 要点としては東京アクセントは中高○●○と平板○●●の二種類があるのに対して、飛騨方言では(ほぼ)すべてのアクセントが中高○●○になる、という事。つまりは飛騨方言でも東京語でも中高アクセントの三拍形容詞の場合、つまり二類、の場合はなんら問題ないのですが、東京語では平板アクセントになる三拍形容詞、つまり一類、を中高で発音すると飛騨の出身である事がばれてしまうという事ですね。つまりは・・・ 一類は要注意、例えば、赤い、浅い、等 二類は問題なし、例えば、青い、暑い、等 三拍形容詞はとても種類が多く、更には、ダサい、ナウい、等々、次々と新語も出来ますから書ききれませんので、興味をお持ちの方は三省堂・新明解日本語アクセント辞典やNHK日本語発音アクセント辞典を座右の書としてお調べになるといいですね。この問題は飛騨方言だけの問題では無いようで、美濃地方においても飛騨地方と同じ傾向のようです。つまりは岐阜方言と東京語のアクセント対立、と言い換える事もできるでしょう。 浅い、は十分に気を付けて発音せねばならぬ事はわかりましたが、では、深い、という三拍形容詞はどうでしょう。答えは、東京アクセントも中高で飛騨と同じです。浅いは要注意で、深いはセーフです。このように規則性を発見する事は出来ません。要は独学の場合は、こつこつとひとつずつ調べ、舌に覚えさせるしかないのですが、声優の学校には若しかして練習帳、ないしテキストのようなもものがあるのかもしれませんね。 三年前ですが、朝の連ドラで、ひよっこ、というのがありました。ヒロインの脇役の同級生ですが、彼女は女優を目指すのですが、せっかく主役を張ったものの、監督その他に、声がなまってると言われ続け、遂に堪忍袋の緒が切れた彼女は撮影をすっぽかして郷里に泣きじゃくりながら帰ってしまう、というシーンがありましたっけね。方言フェチの私は朝のNHK連ドラは堪えられない面白さを感じてしまいます。 |
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