大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ありがとう

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僕:会話語としては基本も基本であるところの挨拶の言葉が東京語と飛騨方言でアクセントが違うのは困った事だね。
君:東京式アクセントは「ございます」の有る無しに関わらず、「り」にアクセント核が有って、つまりは中高アクセントなのよね。
僕:そうなんだよ。「有難く頂戴します」なんてのは平板で、つまりは上がりっぱなしなのは東京語も飛騨方言も同じ。ただし「ありがとう」は飛騨方言では平板だね。例えば「あーれ。すまんなあ、かになあ、ありがとうえな」なんてのは典型的な飛騨方言のあいさつ文だが、「ありがとう」の部分が平板アクセントでないと、なんだかヘンテコリン・きざな都会風のアクセントという事になる。
君:形ク「ありがたい」そのもののアクセントは中高アクセントなので、活用のいかんにかかわらず、「た」にアクセント核があるのが共通語アクセントなのよね。
僕:その通り。「ありがたく」のアクセント核は「た」だ。但し、東京式アクセントではウ音便「ありがとう」になると途端に「り」がアクセント核になる。
君:「あめでとう」「あめでたい」ではこのような現象が見られないので、なるほど飛騨方言は理にかなっていて、東京語のアクセントは変則だわね。
僕:いくら東京語は変則です、と主張しても、飛騨人は所詮、東京人にはかなわない。
君:おめでとう、そういう気持ちになれたなんて。
僕:あがとう。
君:そうそう、さまになっているわよ。ほほほ

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