大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言の起伏型形容詞の連用形・仮定形のアクセント核

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表題が長たらしく衒学的(げんがくてき、難しい言葉で気取る事)な感じ で申し訳ありません。 アクセント辞典をみて、考え込んでしまいましたが、 飛騨方言は純東京式アクセントだからアクセント学的に 語る事など何もない、と考えていた筆者はやはり認識不足でした。 飛騨方言のアクセントはNHK式である、と apriori reasoning する事を 佐七はやめました。前頭葉ではなく、全て、耳で勝負です。 と言う事で、早速に表です。(N=NHK、飛=飛騨)
  しろく 白く 
N ▼○○
飛 ○▼○
  しろくて 白くて
N ▼○○○
飛 ○▼○○
  しろかった 白かった
N ▼○○○○
飛 ○▼○○○
飛 ○●▼○○
  しろければ 白かった
N ▼○○○○
飛 ○▼○○○
飛 ○●▼○○

  みじかく 短く
N ○▼○○
飛 ○●▼○
  みじかくて 短くて
N ○▼○○○
飛 ○●▼○○
  みじかかった 短かかった
N ○▼○○○○
飛 ○●▼○○○
飛 ○●●▼○○
  みじかければ 短かければ
N ○▼○○○○
飛 ○●▼○○○
飛 ○●●▼○○

  おぞくたかった
飛 ○●▼○○○○
飛 ○●●▼○○○
飛 ○●●●▼○○
  
表の説明は不要とも考えられますが敢えて、
1.飛騨方言にはNHK式の頭高形容詞の
  連用形・仮定形は存在しないようである。
2.飛騨方言ではかわりにアクセント核が
  少なくとも一個、後にずれる。
3.ところが四拍形容詞では、ずれが一拍・二拍
  のいずれか、と言う事でパターンが二つある
  事が判明した。
4.おぞくたい、という五拍の形容詞を内省した
  所、ただちに三パターンが出てきた。いずれも
  飛騨方言のセンスに合っていると筆者は信ずる。
5.連用形・仮定形の末語三拍が▼○○のアクセントが
  内省実験では筆者にとっては最も心地よい。
6.親族はじめ恒常的に飛騨人と会話をする佐七の
  内省実験からは 
  
  飛騨方言における形容詞連用形・仮定形の
  典型的なアクセントは 末語三拍が▼○○    
  
  と考えざるを得ない。
という事のようですね。 自分でいうのもなんですが、たかが飛騨方言、 たかがアクセント、でも考え詰めると面白いでしょ。 と言う事で佐七はまた今夜も最高でした。 しゃみしゃっきり。

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