大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
NHK日本語発音アクセント新辞典、NHK出版、第1刷 |
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私:最近だが、家内も私もアクセントのお遊びに夢中なんだ。 君:ほほほ、具体的にはどういう事? 私:二人とも日中はバラバラの生活だが、NHKのニュースや報道番組を観ながらの三度の食事中のお遊びだよ。 君:まあ、天下のNHKアナウンサーのアクセントの間違いのあら捜しという事ね。 私:その通り。 君:そんな事、めったにないわよ。 私:いや。そうでもない。数日に一度は必ずの頻度だな。二人が同時に気づく事が大半。僕がその日のうちにアクセント辞典で間違いである事を確認して家内に報告する。 君:変わった趣味の夫婦仲なのね。 私:僕が変わった人間である事は間違いない。家内が僕に感化されて、という事。家内も結構、楽しんでこのゲームに参加してくれている。 君:だから、今日は表題の話題なのね。 私:ははは、違う。NHKアクセント辞典は2016に新版が出た。今夜は旧版のお話。 君:旧版と新版との内容の違い、つまりは日本語アクセントのこの数十年の変化がテーマかしら。 私:いや、それも違う。今日のテーマは旧版の巻末資料のそのまた一部について。 君:巻末資料とは単なるおまけでは無いわね。 私:そう。古語辞典だって、巻末の活用表とか、歴史年表なんかのほうが見ていて楽しい。早速に本題だが、旧版の巻末資料の内容は五部立て。共通語の発音とアクセント、全日本の発音とアクセント、共通語のアクセント、数詞・助数詞の発音とアクセント、共通語の発音で注意すること。意味、わかるよね。 君:ここは方言サイトだから、つまりは方言のアクセントがテーマといってもいいわ。だから第二部の、全日本の発音とアクセント、について言及したいのね。 私:その通り。ところでこの編者の筆頭だが、都立大学名誉教授・平山輝雄氏。方言のアクセント学の大御所。金田一春彦先生が副班長で、金田一先生が14年先輩の平山先生に花を贈る形の書になっている。第二部は平山先生の執筆。 君:簡単に内容を説明してね。 私:全国でも七か所に絞ってアクセント表を示しておられる。東京、札幌、秋田、松本、沼津、広島、大分。 君:京都と大阪が無いのね。名古屋も。 私:先生の故郷・宮崎県北諸県郡中郷村(現:都城市)のアクセントを入れてもらいたかったな。それに松本が選ばれているのには少し笑える。編者のひとりが馬瀬良雄先生(信州大学名誉教授)、つまりは彼のアクセントというわけだ。 君:仲良しのお仲間で御作りになった辞典という感じね。 私:今日の所は前書きという事で、びっしり書かれた内容については日を改めて。 君:はいはい。 私:ついでに一言。以上の通りだが、旧版は数名の学者さんが手作りなさった。2016の新版はNHKは国語学者さんに執筆をお願いするのではなく、独力で作成した。方法だが、彼等は全国のNHKアナウンサー全員だったか、つまり仕事仲間、の口調を解析し、平均的なアクセントをNHK式として世に問うた。アクセント辞書作りの近未来モデルとも言える内容である事はとても素晴らしい事だが、残念な事に新版では巻末資料から方言アクセントの部は削除された。 君:日本語の方言アクセントは東西対立に収束しつつあり、地方の珍しいアクセント体系は無いに等しいという意味ね。 私:その通り。飛騨方言のアクセントといってもなあ、純東京式だから、要するにNHK式なんだよ。 君:そういう思い込み、決めつけはよくないわよ。ほほほ |
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