大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

なぜアクセントがあるのか1

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私:基本中の基本という事で、なぜ日本語には高低アクセントがあるのか、という事を考えてみたい。
君:アクセント学の教科書に書かれているわよ。まずは出典をお示しなさいませ。
私:第一回は大修館書店・日本語文法事典のアクセントの項目についてお伝えしよう。
君:結論は?
私:アクセントの機能は、言葉の節目をとらえる、というたった一つの大切な機能に集約されるが、更にこれは大きくは三つの機能に分かれるという事がわかる。★単語の弁別機能、★★頂点表示機能、★★★境界表示機能。
君:★単語の弁別機能とは同音異義語をアクセントによって聞き分けさせる機能ね。
私:その通り。き木は尾高アクセント、き気は無核につき平板アクセント。「き\があ\る。」と言えば「木がある。」の意味だし、「きがあ\。る」と言えば「気がある。」の意味。
君:これは誰でもわかる理屈ね。★★頂点表示機能とは?
私:複合名詞で考えるとわかり易いね。ひ\だのた\やま「飛騨の高山」、と発音するが、「飛騨」も「高山」も共に重要という事で両方の単語にアクセント核がある。つまりは頂点が二個。要はアクセント核の数が頂点の数。ひ\し、の場合、飛騨+市であっても強調したいのは飛騨の二語であって市の付属語にアクセント核はなく、重要性が無い。また、ひだしやく\しょ飛騨市役所、の場合、役の漢字が最も大事な意味を持ち、この言葉にアクセント核がある。古川町役場、河合村役場、という単語でも「役」にアクセント核がある。高山市役所も、下呂市役所も、どんな単語でも「役」にアクセント核がある。どんな単語であれ、「役場・役所」の場合、「役」以外の部分にアクセント核が生まれる事はない。
君:なるほど、複合名詞において重要な部位にはアクセント核を置く、という日本語の特質があるのね。
私:その通り。そして残るは★★★境界表示機能、これはもう、文節を区切るのがアクセントですよ、という事で決まりでしょ。
君:そうね、文を分ける場合、文節が最も大きい単位なので、これをハッキリさせる為にアクセントは有効ね。
私:うん、文例としては例えば、じ\つ\ずうっと\きみを\すきだったので\いまから\ぼくが\きみに\だいじな\はなしを\・・・
君:いやよ!無理です、絶対に。ほほほ

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