大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
飛騨方言はピアノで沖縄音階 |
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佐七:ここに、得猪外明著・へんな言葉の通になる、祥伝社新書がある。
家内:タイトルは方言の書じゃないわね。 佐七:その通り、日本語の音韻について書かれたものだ。オノマトペが詳しい。 家内:無理やり方言の話にもっていこうという事のようね、ほほほ。 佐七:ははは、そんな所だよ。ところで、その一節に日本語はピアノ・英語はバイオリン、というのがある。 家内:音韻がヒントと言うことは、鍵盤楽器と弦楽器の差は、という事かしら。 佐七:その通り。我が家のピアノも十年近く調律してもらっていないね。音が狂って来ているのだろうね。 家内:あまり気づかないわね。 佐七:ははは、お互いに素人だからなあ。でも弦楽器の調律は演奏者の仕事だ。ギターにして然り、買ったばかりの弦は数曲も弾くとすぐに調律が必要になる。 家内:早く方言のお話を出してお仕舞いになさいな。 佐七:脱線していたね。鍵盤は叩けば必ず固有の振動数の音が出るが、弦楽器は無限音階。という事は? 家内:日本語はイロハ四十八の音韻しかないのに、英語は子音・母音が多く、発音が極めて複雑という事ね。 佐七:その通り。大昔の日本語は音韻はどうだったと思う? 家内:もっと多かったのね。太古の日本人は、うわーっうわーっと無限音階で話していらしたのかしら。 佐七:だと思うよ。それを引き継いでいるのが英語、楽器に例えるならバイオリンだ。ところで日本語にも fa fi fu fe fo があった事を知ってるかい。 家内:知らないわ。 佐七:母・はは、これを大昔は、パパ、と呼んでいた。ファファになり、ついに、ハハ、になった。 家内:パパは、大昔の日本人にとっては母、大昔の英国人にとっても父という事かしら。偶然ねえ。 佐七:偶然でない事がひとつある。国語の歴史だ。日本人は単音節のみの言語を発明し、更に音韻を次第に減らして究極のイロハ四十八個にしてきたという事だ。オノマトペの発明はその延長にある。 家内:日本語は発音しやすい、覚えやすい、という事ね。ピアノのほうがバイオリンよりも演奏しやすいのかしら。 佐七:そろそろ方言のお話で終わりにしよう。 家内:方言とて日本語だもの、ピアノの一種ね。 佐七:その通り、ただし共通語よりもっと音韻を減らしているのが方言だね。 家内:ビアノの鍵盤は減らしようが無いわ。 佐七:ははは、方言は沖縄音階さ! 家内:ドミファソシド、つまり、レラが無いのが沖縄音階ね。 佐七:沖縄方言が沖縄音階という意味ではない。共通語は八音階であり、モーラ方言である日本語の方言は全て沖縄音階と言うことでどうだい。 家内:本質を捉えてわかりやすい例えを作るって面白い事ね。あなたの事だから何日もお考えになったんでしょ。ご苦労様、ほほほ。 |
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