大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
世界の言語のアクセント |
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私:外国語といっても英語とドイツ語しか知らないので、世界の諸言語のアクセントという命題については手元の言語学の成書の何処にでも書かれている基礎的な事をまずはお書きしたい。 君:簡単にお願いね。 私:うん。言葉は文法だけでは伝わらない。抑揚が必ず必要。まずは世界の言語のアクセントは、トーン(声調)なのか・アクセントなのか、に二分類される。 君:トーンはアクセントとは異なるものなのね。 私:そう。トーンはアクセントではない。アクセントは単語ひとつずつについて、どの部分が上げ下げするか、という決まり事。つまりは切れ目は「どこか」という概念。これに対してトーンとは一会話の抑揚がどのパターンか、という概念で、会話の語彙は関係ない。つまりはトーンの中の個々の単語にはアクセントは無い。アクセントは単純明快で高低(ピッチ)アクセントと強弱(ストレス)アクセントに二分される。日本語はピッチ、英語はストレス。少々厄介なのがトーンで、トーンが音節か単語全体かで音節トーンと単語トーンに分かれる。 君:単語トーンとは? 私:鹿児島方言だ。花と鼻だが、花の場合は、単語でも文節でもいいが、なんでもかんでも最後の拍が上がり目になり、逆に鼻の場合は何でもかんでも最後の拍が下がり目になる。つまりは語単独では、花は平板で鼻は頭高だが、助詞などがついて文節になった途端に両語は低起式なるかと思えば、三拍の場合、鼻は中高文節となる。 君:要は複雑怪奇ね。 私:うん、ただしこのような鹿児島方言でも高低アクセントなので、これは広義の意味でピッチアクセントとも言う。 君:回りくどい言い方をするわね。要するに、ピッチアクセントには狭義と広義があり、狭義は東京語(飛騨方言)・京都のアクセント、広義では鹿児島方言もピッチアクセントというのよね。 私:早い話がそう言う事だ。トーンとて音の上げ下げで言葉を弁別するという事だ。だからトーンは広義のピッチアクセントの一部だ。つまりは広義のピッチアクセントからトーンを除外した物が狭義のピッチアクセント。ストレスアクセントは明らかにピッチアクセントとは異なる異質のもの。 君:つまりは東京・京都・鹿児島を含めて、日本は全国津々浦々まで広義のピッチアクセントの国なのよね。ほほほ |
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