大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
日本語アクセントの音声学的解釈 |
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私:表題だが、どう思う。 君:ほほほ、決まっているわよ。さあ、思いっきり屁理屈を書き並べるぞ、という意気込みが伝わるわ。 私:からかわないでくれ。日本語アクセントとは? 君:音韻の中のひとつひとつのモーラの音高(メル)という事ね。昨日のお話。 私:そう。アナはアナでも、アナは穴の事で、ア\ナは全日空の事。低高が穴で、高低がANA全日空、とも言い換えられる。アクセント学は国語教育においても大切な問題だ。続いては音声学とは? 君:これは国語学より大きな学問、言語学の一分野で、そもそもがヒトはどのような仕組みで諸言語を話しているのかという疑問に答える学問ね。 私:そう。日本人の大半は中高6年も英語を習うのにどうしても英語の発音が出来ない。日本人の英語の教師の発音も聞くに堪えないのが普通なのに、でもアメリカ人ならば乳児ですら本物の英語の発音が易々と出来るのはどうしてだろう、この疑問に答えてくれるのか音声学。具体的には医学、然も耳鼻咽喉科学。音声学は国語学とは言い難いね。改めて君に問う、日本語アクセントの音声学的解釈とは?ヒントは表。 君:表? 私:追加のヒントは音韻表。音韻と言えばイロハ48文字の表だが、僕の孫が大好き。お風呂にも貼ってある。 君:なるほど。日本人は音韻表を二枚、心の中に持っていて、高音表と低音表ね。 私:そうなんだよ。数学なら三次元の行列、つまりはア行、ア列、及び高低、この三要素の一つの表を持っていると考えたほうがいいかな。ひとつの音韻表の各々のセルには行・列・高低の三要素がある。音韻は不連続情報、つまり独立パラメータであるし、アクセントは悉無律というわけだ。私は孫には行と列の二要素しか教えていない。教えていない理由は何? 君:面倒くさいから。 私:からかわないでくれ。教える必要が無いからだ。三歳を過ぎて既に自然にマスターしているから。さて音声学のお話だが、脳の発達とアクセントは密接に関係する。アクセントは乳幼児期に完成してしまう。くどい様だが、日本人の英語の教師ですら英語の発音は不可能。 君:ちょっと脱線ね。 私:はい。では、日本人が高低を使って日本語アクセントを発する仕組みを解説しよう。音の高低とは物理的にどう説明されるかな? 君:周波数ね。高い周波数は高い音、低い周波数は低い音。 私:その通り。そもそもが日本人が声を出してアクセントを表現するという事は周波数的にはどういう事?それ以前の疑問として、アの音とイの音を区別して発音できるってどういう事? 君:音の区別は発声器官、特に舌・喉・口蓋垂・歯、の形状の問題ね。高低って、あれっ、どういう仕組みかしら。 私:流体力学で習うベルヌーイの定理。肺から口へと空気が流れる事、つまり空気という流体現象により声が出る。発声器官の基本形状が変わらず狭くなればなるほど高い周波数の声が出せる。 君:声の高低って声門がビリビリと震えて高低を作るのじゃないかしら。 私:声の高低に声門は関係なし。有声音と無声音の違いが理解できていればそのような質問は無いかな。母音の無声化 devoiced vowels は東京語の特徴。またの機会に。 君:悪かったわね。総括をお願いね。 私:繰り返し述べている例。エイコ、ケイコ、セイコ、テイコ、とくれば女性の名前(頭高アクセント)だが、タイコの音韻が来れば太鼓(平板)か太古(頭高)のどちらかを瞬時に使えるのが日本語アクセントという事。僕の三歳の孫が瞬時に使いわけている。のどが発達してきたというか、既に完成しちゃってる、って事。実際には、日本語アクセントが成立するには missing fundemantal, 錯聴 auditory illusion に代表されるとても複雑な脳機能が関係している。たかがアクセント、されどアクセント。脳科学そのものだな。 君:言葉の発達は親にとっても祖父母にとっても無上の喜びね。ほほほ |
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