大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

高低アクセントと強弱アクセント

戻る

いつもの散文調で申し訳ございません。方言サイトである以上、アクセントについても触れないわけにはいかず、ある時に急遽、佐七アクセント辞書を作ったのです。内省しながら黙々とキーボードを叩いた事を思い出します。確か二日がかりの仕事でした。

その後ですが、あれこれ日本語音韻学の専門書を少し読み始め、当初の二夜城辞書の記載の間違いに気付きました。あわてて突貫工事でまた修正を始めましたが、この時の佐七の武器がギターです。すべて、ド・ファ、で演奏して確かめました。これならば高低アクセントを間違える事は絶対に無いでしょう。

この作業で、私にとって謎であったのは、明らかな高低アクセントをどうして当初に間違えていたのか、という事でしたが、これもちょいと考えれば判る事、つまりは、内省しながら黙々と、という作業が致命的な間違いだったのです。悲しや内省実験、高低と強弱の混同です。

飛騨方言とて日本語であるから、高低アクセントでもあり強弱アクセントでもあるが、前者は不変、後者は文脈で変化する、日本語でアクセントというのは高低アクセントであり、強弱ではない、と言う事なのですね。内省しますと、典型文をひとつ頭に思い浮かべてハイおしまい、たまたま高低アクセントに合っている事も合わぬ事もあるという事なのです。

ところで佐七アクセント辞書の修正作業が終了後ですが、私は既にギターは使っていません。いちいち楽器を握るのが非効率極まりないからです。今や私の武器はド・ファしか使わない口笛です。これなら口笛吹きながら(笑)両手で仕事が出来ましょう。しゃみしゃっきり。
おまけ 教訓
  • アクセントを理解するのに、高低を強弱と混同しない事。
  • 強弱は文脈で変わるが、高低はいかなる文脈でも絶対に変わらない。
  • 飛騨方言は高低アクセント、典型的な東京式です。ただし、そのその高低差・ピッチは小さいかも。
  • 飛騨方言の高低アクセントを表記する前に、そのわずかな高低差を楽器の演奏により確認するのも手段として有効。

ページ先頭に戻る