三省堂新明解アクセント辞典がありますが、日本を代表する
アクセント辞典ではないでしょうか。
付表41の内容は動詞の口語活用形のアクセントです。
起伏式動詞の活用はほぼすべて飛騨方言のアクセントと同じようですから、
当サイトでは特に記載する事はありません。
問題は平板式動詞の仮定形です。
同辞書の内容を転記し、併せて不肖佐七のアクセントをご紹介します。
東京式 ->佐七
泣けば ○▼○ ->同
わらえば ○●▼○ ->同
はたらけば○●●▼○->同
着れば ○▼○ ->同
あびれば ○●▼○ ->○▼○○
もちいれば○●●▼○->○●▼○○
寝れば ○▼○ ->同
消えれば ○●▼○ ->同
ならべれば○●●▼○->○●▼○○
すれば ○▼○ ->同
ろんずれば○●●▼○->○●▼○○
筆者自身が興味を持ち始めたばかりで、
情報収集は甚だ不足しており、また上記の表は単なる内省、
しかも数語のみ。
しかしながら飛騨方言においては、ラ行動詞仮定形は、全ての起伏式ラ行動詞仮定形が東京式でそうであるように
末語は、れば○○、で終わるという重要な文法があるようですね。
少し話題をあげましょう。寒い日には温泉に限りますね。
飛騨方言では、かけ湯を○●●▼あびれば○▼○○よい▼○、
と発音しませんか。いや、あびれば○●▼○よい▼○、と発音するよ、という
ご意見もありましょう。
ならばこれはどうですか。
飛騨方言では、のくとまれば○●●▼○○よい▼○、
と発音しませんか。
これはもう明らかですね。
のくとまれば○●●●▼○、というアクセントを聞いた
飛騨人のほぼ百%がなんだか関西弁に聞こえる・飛騨方言じゃない、と
感ずるでしょうねえ。
つまりは思うにこの飛騨方言に特異的な平板式ラ行動詞仮定形は拍数の
多い動詞で明らかな現象なのでしょう。また二拍語動詞では必ず○▼○と
なる事も書かずもがな。着れば▼○○と発音すれば、それは
純東京式アクセントの代表たる飛騨方言のアクセントではありません。
しゃみしゃっきり。
おまけ 実は上記三省堂付表には動詞・論ずる、について
両論併記されていました。終止形ろんずる、は実は平板式○●●●、起伏式○●▼○、の
両方ありです。ですから、論ずれば、は○●▼○○も実は有りというわけです。
同表によりますと、あいすれば○●▼○○、というアクセントも飛騨式は東京式でした。めでたし○●▼○。