飛騨方言は東京式アクセントなので、本稿は共通語のお話になってしまい、
少し迫力に欠ける内容である事を予めお断りします。さて、
飛騨方言では婆さんの事を、
ばあ▼○、
ばあさん▼○○○、
おばあ○▼○、
ばさ▼○、
ばさま▼○○、
ばば▼○、
ばばさ○▼○、
ばばさま○▼○○、
等々と言います。
結論ですが、ば、の字が必ずアクセント核になる。それが二つの場合は二つ目が
核になる。
ただし、例外があり、ばば、は頭高。
実は、ばば○○、ばば○●ともに飛騨方言では実はウンチの意味になるのです。
例 ばばがばばした▼○○○●●▼。意味はお婆さんが
大便した。そして飛騨方言では叔母は、
おば○●、
おばさん○●●●。つまりは無核です。
応用例 おばがばばした○●●●●●▼。叔母さんが大便した。
こほん、このような例えは勿論、佐七の本懐ではありません。
私はただちょっぴり皆様を笑わせたかっただけ。
さて本題ですが、つまりはこのように明瞭にアクセントの差がありますので、
飛騨方言では、ばあさん・おばさん、を聞き違える事はまずありません。
アクセント核の有無に着目し、有れば婆さんの意味です。
また女性相手の職業では使い分けが特に大切ですね。
ばさまに対しては、おば様と言い、おば様には姉さまと言わなくてはいけません。
言い間違えると必ず損をします。言葉で相手を喜ばせましょう。
要はアクセント核の有無が決め手です。その他は枝葉末節です。
賢明な読者の方には言うまでもない事ですが、つまりは、
おば○●、と上がり調子になる事自体に実はなんと意味のある情報が無い。
最終的に文末で下がってこそ▼、おばさんの意味です。
ところが、いやあ日本は広い。今、私の手元に桃太郎の短編を全国の方言で語っている
CDがあるのですが、東北地方では軒並み、お婆さんの事を、ばさま○●●、と発音なさるのですね。
早い話が無核なんですよ。
ですからこの東北地方方言のアクセントは、
私にはどうしても飛騨方言おばさま○●●●に聞こえてしまうのです。
この点、名古屋方言は、ばあさん▼○○○、の発音でした。飛騨方言とドンピシャリ同じです。
また富山方言も、ばばさ○▼○、でした。飛騨方言と同じです。
さて悲しいかな、この桃太郎CDは、おばさん、が出てこないんですよう。
桃太郎のストーリーだから当たり前ですけれど。
ですから日本各地の方言において、おばあさん・おばさん、のアクセント
使い分けをどのようにしているのか、
私にとっては謎に満ちていて興味があります。
名古屋と飛騨は共通語と同じく○▼○○○・○●●●で使い分けていますよね。
またお爺さん・叔父さんにして然り。富山も同じでしょうか。しゃみしゃっきり。
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