地名・飛騨、のアクセントですが、頭高と平低、の二種類がありましょう。
筆者自身が実はこの地名のアクセントに無頓着で、どちらもあり、
などと気楽に考えていたのですが、
三省堂アクセント辞典によりますと
二拍語、三拍語の旧国名は多くが頭高、そのほかも現在ほとんどが
頭高型に移行しつつある、という事のようです。
例えば二拍語では、安芸、阿波、安房あわ、
伊賀、伊勢、壱岐、伊予、隠岐、
甲斐、紀伊、佐渡、志摩、能登、陸奥。
従って筆者は和語の最古参・飛騨は頭高▼○で発音するのが正式であると最早、主張いたします。
つまりは、単純語では、ひだ▼○、を用いるべきでしょう。
強調の意味で、よくぞ聞いてくださいましたが私は飛騨の出身です、
などと言う場合も若しかしたら頭高で発音するのがよいのでしょうね。
さて癒合語以外の接合語および分離語の場合ですが、
可能な限り頭高とすべきでしょう。
例えば、飛騨のたくみ▼○○○●●、飛騨いちのみや▼○○●▼○○。
更には後項名詞・飛騨の場合ですが、やはり▼○とすべきでしょう。
例えば、どいなかひだ・○▼○○▼○、きたひだ○●▼○、
みなみひだ○●●▼○、おくひだ○●▼○、
にほんの/ざいさん/ひだ○●●●/▼○○○/▼○。
但しすでに普及してしまったアクセントでは尾高もあり、と
認めざるを得ません。例えば、ひだぎゅう○▼○○、ひだうし○▼○○。
蛇足ながら生きている牛がひだうし、肉がひだぎゅう、です。
さて飛騨市○▼○のアクセントをなんと説明すればよいのでしょう。
ひたち▼○○との混同を嫌って、という事でしょうか。
はたまた、げろ▼○、が下呂市○▼○とはこれいかに。
また飛騨の言葉が接頭語となる癒合語に関しては
平低アクセントとすべきである事は当然かとも考えられます。
慣れ親しんでいる言葉と言えば
例えば、ひだべん○●●●、飛騨川○●●●、飛騨地方○●▼○○。
そして実はこれがいいたい、この言葉・飛騨山脈。
間違いなく百パーセントの飛騨人とNHK人が○●▼○○○と
発音されるはずです。
このことは日本語のアクセント論に鑑みて当然の発音であろうかと
筆者なりに考えます。
例えば日本語では、やまかわ○●●●/○▼○○、と発音すれば山にある川という意味です。
一方、やまかわ○▼○▼、と発音すれば、山と川、の意味です。
つまりは、ひださんみゃく▼○○○○○、では飛騨に数多くある山脈群という
一般名詞になってしまいます。あるいは、山脈状態の飛騨、でもありましょう。
あるいは、ひださんみゃく○●●●●●、とは飛騨が山脈だらけの状態、という
意味になりましょう。
つまり飛騨山脈問題とは、外国の安い材木に押されて林業では食っていけないのを
どうするかと考える事です。
お察しの言い方には言うまでも無い事、上がり調子であれ下がり調子であれ、
アクセント核がない言葉は一般名詞と言う事ですね。
そして結論ですが、飛騨山脈○●▼○○○は飛騨の固有名詞の
大親分という事でしょう。
もはや言葉・飛騨にすらアクセント核が無い言葉・飛騨山脈とは、
いやはや恐れいります。しゃみしゃっきり。
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