大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
かじばし鍛冶橋となか\ばし中橋 |
戻る |
僕:話してなんぼ・聞いてなんぼ、の方言の世界。まずは実例を。 君:この方は二つの橋を全て中高アクセントで話していらっしゃるわ。 僕:そう。地元じゃ鍛冶橋は平板、中橋は中高だよね。僕なりに理由を考えてみた。 君:簡単にお願いね。 僕:要は飛騨方言は東京式アクセント。そして今回の場合は後部が和語名詞でできた結合名詞、あるいは名詞+和語名詞の癒合名詞、のパターンだ。後方成分の和語名詞としては川、島、橋、浜、村、山、等々。出来上がった言葉は固有名詞。平板型がほとんど。つまりは何故故に中橋が中高なのか、という疑問でもあるし、どうしてこのユーチューバーさんは鍛冶橋を平板アクセントでお話しなさらないのだろう、という疑問でもある。 君:全然、簡単じゃなくて、呪文のような説明じゃないの。 僕:じゃあ、こんな説明のほうがわかり易いだろう。つまり中橋が中高なのは、これこそ固有名詞中の固有名詞であって、圧倒的に単独で用いられるから。ちなみに、高山市のこの界隈には上橋も下橋もありません。陣屋(代官所)の真ん前にある高山で最も大切な橋、それが「中橋」。だから中高アクセント。高山駅が中高であり、平板にならない理由もこの理屈で説明可能だろう。 君:では鍛冶橋は? 僕:これは鍛冶橋商店街につられたアクセントだね。つまり鍛冶橋は固有名詞というよりも場所を示す形容詞という訳だ。 君:でも、城山とか、中山とか、これらの高山の固有名詞は平板だわよ。 僕:簡単な事。固有名詞で使う限りは中高、固有名詞が形容詞化すれば平板になる。城山公園と中山中学校という新たな言葉につられているんだよ。簡単な理屈だ。固有名詞たる「高山」は地元じゃ中高なのにね。このアクセントを間違えたら余所者だな。ぶっ 君:確かにね。アクセントって頭に染み込んでいるからすぐわかるわよね。ほほほ |
ページ先頭に戻る |