なに、という言葉は飛騨方言では東京式に一致して
頭高になる事が多いのですが、美濃方言では
平坦になる事が多いそうです。
内省してみました(生まれ育ちとも高山近郊)。
単語は三省堂新明解日本語アクセント辞典
(=東京式アクセント辞典)を
抜書きしたものです。
東京式 佐七の内省
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なに 平 同
(あのもの・あのひと、
〜を取ってくれ)
なにを(感) 尾 同
名に負う 中 同
なにをか 頭 異 中
なにか 頭 同
なにがし 頭・中 同
(=某、何の〜)
なにがし 頭・平 同
(=いかほどか)
なにかしら 頭・平 同
なにかと 頭・平 同
なにがなんでも 頭頭・中 同
なにかに 頭・平 同
なにかの 頭・平 同
なにからなにまで 頭頭 同
なにくそ 頭 異 平
なにくれ 頭・平 同
なにくわぬかお 頭・中 同
なにげない 中 同
なにごころなく 中 同
なにごと 平 同
なにさま 頭 異 平
(〜じゃあるまいし)
なにさま 頭・平 同
(いかにも。〜そうだ。)
なにしおう 中 同
なにしに 頭 同
なにしろ 頭 同
なにせ 頭 同
なんせ 頭 同
なにとぞ 平 同
なになに 頭・中 同
なにびと 平 同
なんびと 平 同
なにひとつ 頭・中 同
なにぶん 平 同
なにぼう 頭 同
なにほど 頭・平 同
なにも 頭・平 同
なにもかも 頭頭・中 同
なにもの 平 同
なにやつ 頭・平 同
なにゆえ 頭・平 同
なにようび 中 同
なんようび 中 同
なにより 頭・平 同
なにはさておき 頭頭 同
なにはともあれ 頭頭 同
なにはともかく 頭頭 同
頭=頭高;中=中高;尾=尾高;平=平坦;
頭頭=頭高の語ふたつの複合語;
同=内省が東京式に一致;
異=内省が東京式と不一致.
結果は、高山近郊のアクセントは
大半が東京式に一致し、頭高のオンパレード
という事のようです。
表は相当の内容でしょうか。
私はそうは思いません。
実は規則は一つしかないのです。
なに+名詞の場合は頭高にならず、
それ以外では頭高になる
という事でしょう。
多少の例外はこの際はとやかく言うべき事
ではないでしょう。
しかし、よりによって何故また、なにくそ、は
東京式では頭高なのでしょうか。
筆者はどうしても平坦型なのですが、
下品なお話で、かにな(=堪忍してね)。
ですが、私自身はきちんと
飛騨方言のアクセント則に従っていると言う事で、
自分自身に感心しちゃいました。