わざと、の意味でやくと▼○○、と
言いますが、
この頭高アクセントは東京式アクセント圏である飛騨にとっては大問題です。
つまり、飛騨方言は東京に同じく、役やく○▼・尾高、です。
また、役の複合語は全て、飛騨方言も東京語も同じです。
当然ながら、〜の役とする、という意味の場合は、
役は尾高で発音します。
大役を果たす、という文では無核、上がり調子になります。
やく役
○▼
やくめ役目
○●▼
やくがら役柄
○●●●
たいやく大役
○●●●
やくしゃ役者
○●▼
さんやく三役
▼○○○
つまりアクセントの違いにより意味が異なってしまうのです。
例文ですが、
佐七を会長のやくとする(=役職、役目とする)
○▼○○○
佐七ゃ漫才をやくとせる(=わざとする)
▼○○○○
そもそも飛騨方言では、
役という言葉そのものは東京式・尾高であるにも
かかわらず、何故、役と、のみが
畿内式・頭高になるのでしょうか。
飛騨では、役、の言葉およびその複合語は古代から東京式・尾高で
話されていたものの、平安時代あたりに飛騨工が、
たった一つの言葉・やくと、という、
飛騨方言としては珍しい畿内式・頭高の言葉をもたらした、
という事なのでしょう。
往時の、いなせな京の都の言葉、という事だったのでしょうね。
いなせな言葉を広めるのを役と○▼○したのは飛騨工。
彼等はその言葉をやくと▼○○(=わざと)話した。
しゃみしゃっきり。