大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

日本語漢字音の重層性に関する一考察

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僕:表題だが、どう思う?
君:日本語漢字音の重層性とは日本の漢字文化の特徴をとらえた言葉ね。文字を持たなかった大和民族は大陸から漢字を輸入し、日本語を表記し続けてきた結果、ひとつの漢字に複数の読みが出来た現象。3−6世紀の呉音、6−8世紀の漢音、13世紀の唐音。
僕:そのあたりは中等教育で習う。言語学的にはアルファベットや仮名に代表される表音文字に対し、漢字は表記文字。昭和28年生まれの私だが、昔は表音文字・表意文字で習った覚えがあるが、最近は、表音文字・表記文字・表意文字の三分類のようだ。
君:今日は重層性の話題じゃないの。
僕:そう、重層性に絞ろう。実は表題には副題をつけたいところだ。
君:副題?
僕:そう、それで僕が言わんとすることが全て表現できる。
君:ほほほ、どんな副題?
僕:つまり、難読漢字とは。
君:難読漢字とは呉音でもない、漢音でもない、唐音でもない、何れにも分類されない漢字の読み方です、という意味ね。
僕:その通り。高山市の郊外に上枝という漢字表記で、ほずえ、という地名があるが、これは地元の人以外には読めないだろう。
君:なるほど。最初にホズエという音韻があって、自由な発想で漢字を当てはめた結果ともいえるわね。
僕:その通り。難読地名は当て字だ。そもそもが最初に音韻があって、これを漢字表記しようとして適当な字を当てはめた。
君:豊かな発想という事かしら。
僕:そう言えなくもないが、迷惑な面もある。ある程度は規制というものが必要な気がするね。それともうひとつ、難読地名について注目すべき点がある。
君:ヒントは?
僕:固有名詞。
君:ほほほ、それなら簡単。地名は固有名詞、そして難読地名は固有名詞の横綱といったところね。
僕:脱線するが人名にも言えるね。キラキラネームという現象。
君:あまり快く思っていないのね。
僕:いや、僕は自然言語にのみ興味がある。今日の発見だが、難読地名とはキラキラネームの事です。
君:そして、その現象こそが日本語漢字音の重層性の頂点であると。 ほほほ

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