方言の表記法などという事を少し考えて、このコーナーを設けたのがざっと12年ほど前の事でした。当時ですが、ネットの方言サイトを閲覧したり、ウエブメールを検索したりで、長音について、いわゆる長音記号(長音府、英語で katakana-hiragana prolonged sound bar)で表記するネット情報が多かったものですから、おせっかいにも、おいおい違いますよ、という気持ちでこのコーナーを設けた覚えがあります。
当時、私が考えていた事は、方言だって日本語、だから方言だって国語の表記、つまりは戦後に定められた国語仮名遣いに従って記載すべきだし、第一に小学校で、おとうさん、おかあさん、と書くように教わったでしょ、ねえネットユーザーの若者たちよ、という事なのでした。
昨日に歴史考察>戦後のコーナーに飛騨方言のコーパスは何処へ行ったのかを上梓しましたが、あにはからんや、ラインスタンプは長音記号のオンパレードでした。
もはや、私の主張など無意味に等しいと悟りました。私の社会人としての務めは、私が昔からそうであったように、今後も自然言語としての飛騨方言を眺め続けて、これを正確に記載し続ける、という事なのでしょう。結論、あるいは私のつぶやきとしては以下の通りでしょうかね。
長音表記は伸ばした音の母音を添えるのが原則であり、長音記号「ー」は用いない。
オ列長音表記は、かう、たう、等は、こう、とう。例 高こう、ありがとう
ハ行転呼音「ホ」での「オ列長音」は、お。例 こおり
方言(あるいは漫画などを含めた若者文化)の表記に関しては長音記号を認める。ただし、文化であり正式の日本語にあらず。
現代仮名遣いに従った方言表記は日本語として認める。方言文学は現代仮名遣いに従うべき。
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