大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

けつまずく

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当サイトでは共通語の"つまずく"に対応する飛騨方言を"けつまずく"と表記しています。接頭語の"け"は語の強調の意味でもなんでもなく、ただ私達、飛騨の人間は無意識にしゃべっているだけです。ころびそうになるのが"つまずく"でも、ころんで怪我をしたら"けつまずく"でも、どちらでもありません。文例をひとつ、
"このあいだ、会社でなあ、けつまずいたら、前いきょった女の子のけつべた(=お尻)にニアミスしてまったんやさ。接触事故にならんでほんと助かったさ。あやうくセクシュアル無念を晴らすメントで訴えられるどこやったんやさ。"
今日の話題ですが、"けつまずく"+"方言"でネット検索しますと、相当数、ヒットします。その数、壱千以上です。各地の方言です。勿論、意味は同じです。共通語とは異なる言葉なので、例え共通語と同意であれ、大事な郷土の言葉であり、辞書登録し、全国に、いや世界に情報発信せねばというサイト管理者の思いが伝わってきます。(実はおりぃもその一人なんやさ。)

ところがまた、"けつまづく"+"方言"でネット検索しても、相当数、ヒットします。その数、壱千以上です。各地の方言です。勿論、意味は同じです。その数たるや、あらら、まあ、"けつまずく"派も"けつまづく"派もほぼ同数でした。

"けつまずく"派のサイト管理者の方々は多分、こう考えていらっしゃるのでしょう。方言表記とて、日本語表記の一部分である、一階部分に共通語、正しい日本語表記があり、二階部分に方言表記がある、だから当然ながら"つまずく"にあわせて"けつまずく"と記載すればよいと。

一方、"けつまづく"派のサイト管理者の方々は多分、こう考えていらつしゃるのでしょう。"つまずく"の語源は"爪が突く"であるので"け爪突く"で"けつまづく"のどこがいけないの?むしろ、理屈に合わない共通語表記"つまずく"こそ、将来は"つまづく"と変えてもいいんじゃない?古典的な由緒正しい方言表記こそ、原点にかえって"けつまづく"と記載すればよいのだと主張しておられます。

"けつまずく"派は体制順応・文科省推薦派、"けつまづく"派は反骨正論・在野派ともいえます。私が"けつまずく"と表現しているのは、じつは体制順応・文科省推薦派だからではありません。私は"問題提起派"です。ねえ皆さん、何と表記したらいいのでしょう。

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