係助詞ですが広辞苑に、種々の語について続く用言の陳述を限定する、と説明があります。
さて、飛騨方言における係助詞・は、ですが、明瞭に発音されず、ややもすれば早口調になるのが特徴のようです。
従ってその表記は飛騨方言においては、
"ゃ"、
"ぁ"、
"はぁ"、
"ぁあ"、
"ゃあ"、
をルールに従い使い分けるべきであろうかという私見を以下に提起します。
末尾がア行の体言の場合 −> "ぁ"
例、アジアぁ、運動会ぁ、今日ぁ、この絵ぁ、雅夫ぁ
末尾が"い"以外のイ列の体言の場合 −> "ゃ"
例、式ゃ、この詩ゃ、大地ゃ、兄ゃ、句碑ゃ、卵の黄身ゃ、地理ゃ、
末尾がア行以外かつイ列以外の体言の場合 −> "ぁ"
例、(多数につき略)
末尾が"ぁ"、"ぃ"、"ぅ"、"ぇ"、ないし"ぉ"の体言の場合
−> "あ"あるいは"は"でも可
例、メタファあ比喩の事やさ
末尾が"ゃ"、"ゅ"、ないし"ょ"の体言の場合
−> "あ"あるいは"は"でも可
例、"りんしゃ"あ倫社の事やさ
係助詞"ぁ"を強調したい場合 −> "はぁ"あるいは"ぁあ"
例、アジアはぁ広いんや、運動会はぁ今日はぁ中止や、
アジアぁあ広いんや、運動会ぁあ今日ぁあ中止や、
この絵はぁ雅夫はぁ書いたんや、
この絵ぁあ雅夫ぁあ書いたんや、
係助詞"ゃ"を強調したい場合 −> "ゃあ"
例、こりゃあ大変や
なにもこのような事に拘らなくても、ただ単に"は"と書けばいいのかも
しれません。ごちゃごちゃとうるさい事を書くな、というご意見があれば、
これは大変です、じゃなかった、こりゃあ大変や。