ごへいもちですが、ネット情報としては奥三河・木曽あたりからの
発信が多いようです。勿論、飛騨の大切な郷土料理でもあります。
問題は語源ですが、江戸末期の国府広瀬の大坪ニ市著・農具揃えに
冬の山小屋に寝泊りする時にぬさ・幣を形どった餅を供えて山の神を祭る
習いをする。めいめいが身を清めて白米を出し合い、十分にとぎ、飯を炊き、
すりこぎでこぎ捏ね、ゆでて串に刺し、火にあぶり、たまりをつけ、
まずは山の神に供え、おがんで、然る後に皆で食べる習慣である。
との記載があります。
以上から明らかですが、ごへいもちの語源は御幣○●○を形どった餅です。
御幣餅のアクセントは○●●●○、ないし○●○○○でしょう。
前者は純東京式アクセントであり、後者は飛騨独特式と言い換えられます。
人の名前の五平●○○が後の世に表記で用いられている事は
誤った民間語源である事は書かずもがな、しかし私には理由がよくわかります。
御幣という字は画数が多く書きにくかったからです。簡易な文字の五平が
次第に用いられるようになったのでしょう。
もう一点は、里で誰もが食べるようになってからは単なる名物料理、
既にきこりさんの信仰・御幣は関係なくなってしまったからと言う事ですね。
奥三河、木曽、飛騨、つまり中部地方に共通して信仰に基づく名前で
ある事から、やはり表記は祖先を敬って御幣餅とするべきでしょう。
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